中国人民解放軍の「殲−20」戦闘機とされる写真が報道されたことについて、台湾の国防部は5日、議会である立法院の外交国防委員会で、「写真には問題がある。現在の中国には(世界的にみて)最新鋭の戦闘機を製造する能力はなく、テスト飛行はなおさら不可能だ」と述べた。環球時報が報じた。「殲−20」は、中国が開発中の、レーダーなど感知されにくい「ステルス戦闘機」との見方がある。

 国民党の林郁方立法委員(議員)が5日、国防部に対して「殲−20は人民解放軍の第5世代戦闘機ではないのか。テスト飛行段階にあるのか?」などと質問した。国防部情次室の沈一鳴次長は「違う。(報道された)写真には問題がある」と答えた。

 林氏が「人民解放軍の第5世代戦闘機の写真ではないのか」と追求すると、沈氏は「そうだ。ロシア紙が発表した。しかし人民解放軍がエンジン・レーダー・複合素材・電子機器などの科学技術の壁を突破するにはまだ時間がかかる」と述べた。

 同国防部の楊念祖副部長は、「台湾は中国が開発する武器・戦闘機に対してはすべて対策済み」と述べ、今後も状況を注意深く見続ける考えを示した。

 中国のインターネットでは、「殲−20」を撮影したとする画像が多く掲載されており、軍事マニアの関心の的(まと)だ。台湾では、「(開発の初期段階で制作する実物大模型のぼやけた写真」と主張するユーザーがいる一方で、本物と考える人も多く、それぞれの意見の発表が相次いだ。(編集担当:畠山栄)



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