日光東照宮石鳥居

写真拡大 (全10枚)


あけましておめでとうございます!!!事務局大谷です。2011年がスタートいたしました。新年の朝、みなさまいかがお過ごしでしょうか。新しい年を迎えた日本人がすることと言えば、やっぱり初詣。三が日には、毎年9,000万人以上の人々が寺社・仏閣を訪れて、一年の無事や幸福を祈ると言われています。(警察庁の予想は2010年から出なくなるそうですが…。)

さて、みなさんは普段訪れている神社の違い、意識して参拝していますか?
神社の名前(稲荷、天満宮、八幡、etc…)や境内にある案内板から、祀られている神様やご利益のことはわかってしまうもの。そこで、みちくさ学会では、「鳥居」に注目して、知っておくと初詣がいつもの年と少し違って感じられる、みちくさ的ポイントをご紹介します。
普段見過ごしがちですが、微妙に違いがあり、そこに着目することで、境内に入る前から神社を楽しむことができます。

鳥居にもタイプがある!


鳥居は二つの柱の一番上に「笠木」と呼ばれるパーツを載せ、そして下に「貫」と呼ばれるパーツを入れたものが基本となっていますが、「笠木」の形状・装飾と「貫」のバリエーションが様式となり、神社の性格を私たちに教えてくれるのです。

神明系
伊勢神宮の鳥居を典型とする鳥居。
笠木に反りがなく、直線で構成されていて、とてもシンプルです。靖国神社や「◯◯神明宮」といった神社で目にすることができますが、数はそれほど多く無いようなので、近所で見つけたらラッキーといえるかもしれません。


「伊勢鳥居」。よくみると、笠木が五角形になっています。


「靖国鳥居」。円柱を基本としていますね。



島木系
全国にある鳥居のうちの大半は、この「島木系」といわれています。「島木」とは、「笠木」の下におかれる横のパーツのことで、ちょうど「笠木」が2段になっているように見える鳥居です。また、柱が「ハ」の字のように、内側に向かってナナメに立っているのもこの系統の特徴です。

笠木の両端の反り、「貫」と呼ばれる横の部材が柱を突き抜けていますね。
島木系のうち、このように典型的なものを「明神鳥居」と呼びます。


「島木」の下に、「台輪」(柱にある輪のようなパーツ)のあるものが、「台輪鳥居」。


さらに、柱を支える形で前後に「稚児柱」があるのが「両部鳥居」。立体感を醸し出していて、豪華に感じられます。



応用してみよう!


このような知識を持っておくと、各地の神社を訪れたときに大変便利です。
私も、自分で撮った写真を改めて見てみると、分類できるできる!

日光東照宮石鳥居
黒田長政が奉納した鳥居の名品。うんうん、典型的な「明神鳥居」ですねえ。



昨年の大河ドラマでも話題になった坂本龍馬と中岡慎太郎のお墓。「靖国鳥居」ですね。
私が確認したところ、西郷隆盛や大久保利通など、幕末維新関係の人物のお墓にある鳥居は、「靖国鳥居」が多いようです。



地学の教科書ではおなじみですね。大正時代の大噴火で火山灰に埋もれてしまった、桜島の埋没鳥居。
「明神鳥居」ですが……「台輪」があるので、「台輪鳥居」ですね。



いかがでしょうか?
この他にも、笠木の上にさらに三角形にパーツが組まれている、「山王鳥居」など、都内だけでも何種類もの鳥居を目にすることができます。
素材や色はもちろんのこと、細かな違いに注目することで、今年の初詣がより楽しくなるはずです!
この他にも、珍しい鳥居が存在するようなので、ぜひ探してみてくださいね。

■参考サイト:
鳥居の分類 - 神社参拝記
【鳥居】 その他の鳥居 - 玄松子の記憶
派生と種類(スタジオジンジャー)

■関連記事
「換気口、下から撮るか?横から撮るか?」
「明かり」を明るみにします!
一富士!ニ富士!三富士山!
関西坂道ツアー(前編)
決してメガネ男子をおちょくっているわけではありません