5日に中国とW杯前最後の強化試合を終えたフランス代表が、翌日朝に南アフリカ入りした。強化試合3戦の戦績は1勝1敗1引き分け。最初のコスタリカ戦で新しいフォーメーション(4-3-3)の手応えをつかんだものの、その後の2試合は下降線をたどり、本番に不安を残す結果となった。

 とくに5日の試合は、中国が国内リーグの真っ最中だったために主力9選手を欠く“Bチーム”ともいえるメンバーが相手。にもかかわらず、攻め手を欠き得点には至らなかった。翌日の国内メディアは一斉に批判的な論調を展開している。批判の矢面に立たされているのは、やはりドメネク監督だ。3試合とも“不動”のスタメン(初戦のみGKマンダンダ)で臨んだ“頑固さ”に疑念が生じている。

 守備陣はこの時期に手を加えるのが得策でないのはたしかだ。3試合とも先取点を奪われたが、連携が生まれるまでには実戦の経験が必要。センターバックのギャラスとアビダルは、中国戦でようやく8試合目のコンビだ。フリーキックから得点を許したGKロリスには、W杯公式球への慣れが必要だろう。

 問題は攻撃陣。元レキップ紙記者のピエール・メネス氏は、右サイドのゴヴとトップのアネルカを先発で起用しつづけるドメネク監督について「まったく理解できない」と不信感を示した。

 メネス氏は、3試合とも途中出場ながら目覚ましい活躍を見せたMFアブー・ディアビ(アーセナル)を初戦の先発で起用しないとしたら「スキャンダル」と煽る。さらに、「アンリは30分でアネルカの60分より多くのものを見せた」として、アネルカに代えて先発で起用する提案を行なった。また明らかに好調なアンドレ=ピエール・ジニャック(トゥールーズ)を本来のトップで投入しないことにももどかしさを感じている。