10年の時を経て、パルマはその歴史においてもっとも愛された選手の一人を取り戻した。その選手は、FWエルナン・クレスポだ。ミラノ、ローマという大都市やロンドン(チェルシー)のような国外も経験した同選手の復帰は、パルマのサポーターにとって夢の実現となる。30日の記者会見前に行われたタルディーニ(パルマ本拠地)での歓迎が、それを如実に表している。クレスポは2010-11シーズン終了までの完全移籍でパルマに加わった。

「10年前にパルマを離れたとき、僕は街に対してこういう手紙を書いた。『まだこのスタジアムでプレーしながら、キャリアを終わらせたい』。そう、僕は戻って来たんだ。夢を実現したんだよ」

「たくさんのゴールを決められることを願っている。プロ意識と献身さを約束するよ。チームメートたちのために働く。大きな結果を残すためにもっとも大事なのは、グループがまとまっていることだからね。もっと先に進めば、夢を見ることもできる。今はあまり走りすぎないでいるべきだ。僕らは現実を見て、勝ち点40に達しなければいけない。そして、気迫をもって働き続けなければいけないんだ」

「タルディーニに戻ってきたとき、僕はほかにはない気持ちを感じた。ほかでは感じられない感情だ。僕は、自分が何年も前に経験した素晴らしいことを、子供たちにまた感じさせたかった」

クレスポはお披露目のために集まった2000人のファンがいるタルディーニに、言い表すことのできない気持ちを感じながらあいさつをしたのだ。

「僕はただ散歩をするためにここへ来たんじゃない。自分の全力を尽くすために来たんだ。セリエA残留を勝ち取るためにね。『クレスポはオレたちの一人』ってコールを聞いた。サポーターたちは、いつも自分たちの一人がピッチへ向かうんだってことを分かってくれているのさ」