朝青龍の引退の危機を伝えるスポーツ新聞各紙

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   大相撲の横綱・朝青龍(26)の今後について、2007年8月2日、スポーツ新聞の1面見出しに「引退」の2文字が大きく踊った。朝青龍は「疲労骨折」などの理由で夏巡業の休場届を出しながら、帰国した母国モンゴルでサッカーをしていたことが発覚、8月1日に日本相撲協会が謹慎などの処分を発表した。記事は処分の内容から「引退」に追いこまれるという見方を示している。

4カ月も「謹慎」できるのか?

   見出しを拾うと、「引退危機」と報じたのは、スポーツニッポンとサンケイスポーツだ。
   ほかには「事実上引退勧告」(スポーツ報知)、「引退も」(デイリースポーツ)、「関係者に漏らした引退」(東京中日スポーツ)などだ。ニッカンスポーツは「外出したら解雇」と見出しをつけた。

   発端は、7月25日夕。日本のテレビでモンゴルに戻り、元気にサッカーに興じる朝青龍の姿が報じられたことだ。7月23日に日本の病院の診察を受け、モンゴルへ帰国していた。25日になって師匠の高砂親方が「腰の疲労骨折」などで「全治6週間」とする診断書を提出し、夏巡業の休場が決まっていた。その直後に、サッカー場で元気に走り回り、ヘディングをして地面に倒れこむなど激しい動きをする朝青龍の姿が紹介されたのだ。「仮病ではないか」と批判が一気に噴き出した。

   批判の高まりを受け、日本相撲協会は8月1日、朝青龍への処分を決定した。(1)07年の秋場所以降2場所出場停止、(2)8月1日から11月25日までの謹慎(自宅、高砂部屋、病院以外への外出禁止。しかるべき理由なしでのモンゴル帰国禁止)、(3)4カ月30%の減俸という内容だ。

   サンケイスポーツは、日本相撲協会の北の湖理事長の「休んだら、筋肉を取り戻すのに1、2カ月かかる」という言葉を伝え「再起が容易ではないとの見方を示した」とした。そして「引退の危機も浮上する正念場を迎えた」と結んでいる。スポーツ報知は「横綱の2場所連続休場は自動的に次の場所に進退がかかる。来年の初場所で不本意な成績を残せば一気に引退勧告される可能性が出てくる」と分析した。また、「過去にモンゴルへの無断帰国を繰り返してきた朝青龍が4カ月間も日本の自宅と部屋、病院の往復だけの生活にとどまれるのかという危惧もある」と懸念を示している。謹慎を破れば次には、もっと厳しい「引退勧告」「解雇」の可能性もあることをにじませている。

アンケートでは「処分が甘い」7割強

   デイリースポーツは、朝青龍がモンゴルから日本へ帰国直後には「ショックから『もうやめたい』と近い周辺に弱気も漏らしたという」と伝えた。ニッカンスポーツは、元横綱大鵬の納谷幸喜さんの「今回の処分は、朝青龍への『引退勧告』に等しい。私はそう考える」というコメントを掲載している。

   スポーツニッポンは、同社のサイトで行った緊急アンケートの結果も掲載した。3時間あまりで1,000件近い回答があり、「処分が甘い」が7割強で、「重い」が1割弱、「妥当」は2割程度だった。「母国モンゴルでは」として「相撲協会は(外国出身の力士に)さらに記録が破られることを恐れて2場所出場停止を決定したのかも」と朝青龍をかばう声も伝えている。

   在日モンゴル大使館へ8月2日夕にJ-CASTニュースが3回電話すると、いずれも男性の声の自動音声で「ただいま電話が大変込み合っておりますので、恐れいりますが、しばらくこのままお待ち下さい」と流れ、数秒後に切れた。

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