【ファンキー通信】かき氷のツーンという痛みはなぜ起こる!?

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 そろそろ夏です! 夏といえば、海! 山! そして何と言ってもかき氷! 祭りの屋台で、海の家で人気のかき氷、暑い夏はコレがないと始まりません。

 でも皆さん、かき氷やアイスを急いで食べたときに後頭部に走る「ツーン」って痛みの原因をご存じですか? 誰もが一度は感じたことのある痛みだけど、その痛みのシステムだとか、名前だとか、知らないはず。もしかしたら、恐ろしい病気につながるものだったら・・・。

 あの痛みの謎を解き明かすべく頭痛の専門医で『ようこそ頭痛外来へ』(青梅社)の著者でもある北見クリニック院長の北見公一先生にお話を聞いてみました。

 「国際頭痛分類」による正式名称は『冷たいものの摂取または冷気刺激による頭痛』という名前。そのまんまじゃん! とつっこみたくなるような名前です。通称の方も『アイスクリーム頭痛』と呼ばれているそうで、こちらもそのまんまな名前。

 「基本的には咽頭(のどの奥の部分)に分布する舌咽神経が冷刺激で亢奮(こうふん)し、痛みを脳に伝えるのですが、脳が刺激部位を頭頂部やこめかみの皮膚と取り違えて感じるのが原因です。同じ神経の枝が分かれている部分に起こる現象です」(北見クリニック院長 北見公一先生)

 難しいですが、とにかく神経痛の一種で、「関連痛」と呼ばれているものなんだとか。脳が刺激部分を勘違いしてしまうことが痛みの原因のようです。

 では、この痛みを起こさずにアイスクリームやかき氷を食べる方法ってないんですかね?

 「なるべく咽頭にアイスクリームが触らないように食べるしか避ける方法はないと思います。少しずつゆっくり食べることです。ちなみに、この痛みは一時的なものですからなにも悪いことは起きず、病気を引き起こすことはありません」(同)

 やはり急いで食べるのがよくないということ。この痛みは長い人で5分くらい続くそうで、痛みの強さも時間も人それぞれなんだとか。ともかく、大きな病気の原因になることはないということでひと安心ですな。

 かき氷は夏の風物詩。今年はゆっくり口に入れて、痛みを感じずスマートに食べたいものですね。(加藤克和/verb)

■関連リンク
北見公一のHP「脳外科医と考える頭痛AtoZ」 - 文中でコメントを寄せた北見先生のWebサイト