「日本人全員を億万長者にする歴史的プロジェクトが遂に始動!」「日給3万円〜30万円の不労所得を手に入れたビジネスの初心者が続出中!」

 副業や在宅ワークが注目を集める中、こんな景気のいいうたい文句を掲げていた“仮想通貨ビジネスのカリスマ”A氏と関連業者が訴えられた。

「40代のA氏はネットの広告や動画を駆使し、仮想通貨で稼ぐ『秘密の手続き』を伝授するとうたい、儲けのノウハウを指南する数万〜数十万円のDVDの購入を勧めていた。また自身を『キングオブコイン』と紹介したり、フィリピン政府との関係を滲ませたりと、成功ぶりをアピールしていた」(社会部記者)

 ところがこのDVD、中身は仮想通貨や投資についての一般論が主で、金儲けの具体的な方法には触れていなかったという。ネット上には購入者による怒りの書き込みが溢れていた。

 このトラブルに立ち上がったのは警察でも消費者庁でもなく、「消費者機構日本」という認定NPO法人だ。4月26日、A氏とDVDを販売する業者に、代金を返還する義務があることの確認を求め、東京地裁に提訴した。


「消費者機構日本」のHP

「実際に稼いでいる人が続出」と主張する業者

「同団体は総理大臣から『特定適格消費者団体』として第1号の認定を受けた法人です。近年、不当な勧誘や契約による消費者トラブルが後を絶ちませんが、個人が業者に民事訴訟を起こしても、時間や費用がかかるばかりで数十万円程度の少額被害の回復には見合わない。こうした個人の救済や被害防止のため、一括で被害の回復を求められるようにと、この法人が立ち上げられたのです」(同前)

 昨年12月には東京医科大の不正入試問題で、減点された女子や浪人生の受験料を返還する義務確認を求める訴えを提起している。

「消費者の“駆け込み寺”として話題の法人が、被害者が増えている仮想通貨ビジネスの業者を訴えるのは初めてで注目を集めている」(同前)

 法人は「提訴が注意喚起になれば」と期待する。業者は提訴前の法人とのやりとりで「ご納得いただけなかった方へは誠意を以て返金の対応をさせていただきたい」とする一方、「実際に稼ぐことができている方が続出している」と主張している。

 法廷に投げられたコイン。表が出るか、裏が出るか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月16日号)