歯茎の敵!爪楊枝は世界の非常識だった

写真拡大

 飲食店ではテーブルに置かれ、弁当の割り箸にも付いている、おなじみの爪楊枝。実はこの爪楊枝も、歯を守る観点で考えると、マイナス面が大きいのだとか。その理由が、あの丸い形と硬さにある、と説明するのは健康ライターだ。

「丸い爪楊枝は世界的に見ると、オードブルなど料理用に使われるのが一般的。硬すぎるため、無理に歯の隙間に入れるとかえって歯茎を痛めるとして、外国人は使わないんです」

 そのため、海外で歯の掃除に使われるのは、平楊枝で、英語の「TOOTH PICK」は、このタイプを指すのだとか。

 細長い形の平楊枝は歯と歯の間に入りやすく、汚れを取りやすいという特徴がある。健康ライターが続けて言う。

「あまり強度がないため、使用時に力を入れるとすぐ折れてしまいますが、それ以上歯に負担がかからないので、歯や歯茎を傷つける心配がないことから、欧米ではこれがスタンダード。レストランなどでは会計をする場所に包装された平楊枝が置かれていて、肉料理を食べる文化が背景にあるからか、ミントやシナモンなどの香りがついたタイプが主流のようです」

 実はこの平楊枝、大正時代に日本にも入ってきたらしいのだが、丸くて硬い楊枝に慣れた日本人の間では浸透しなかった。

「平楊枝が最適ですが、それがない場合は、紙を切って丸めて楊枝を作ればいい。丸楊枝を使うより、そのほうがよっぽど歯肉に優しい。歯は一度失ったら元には戻りません。だから欧米人は、自分の歯を守ることに対して真剣です。楊枝一つで歯茎に対する刺激には雲泥の差がある。日本人も、自身のデンタルケアを見つめ直してみるべきですね」(健康ライター)

 たかが爪楊枝、されど爪楊枝──。