2010年には「わが星」で岸田國士戯曲賞を受賞した劇団ままごと柴幸男氏の代表作「あゆみ」に、今乗りに乗っている「けやき坂46(ひらがなけやき)」全メンバー20人がWキャストで挑むという。

舞台初日となる4月20日(金)には、AiiA 2.5 Theater Tokyo(東京都渋谷区)にてメンバー全員がその意気込みを語った。

「あゆみ」は生を受けてから成長し、喜びや悲しみを抱えながら、やがて結婚や出産という人生のビッグイベントを経験、そして親として再び成長しながら年老いていくという一人の女性の人生を走馬灯のように駆け抜けていくストーリー。


深いテーマの舞台に20人全員が一人二役以上で挑み、さらには同じ主人公を代わる代わる違うメンバーが演じるという極めて演技力の問われる構成だけに各々が当初は不安を抱えていたようだが、この日の舞台挨拶では「見ている方の心に残るものに」「何か感じてもらえれば」「今はとっても楽しい」「沢山の人を涙させられるような演技をしたい」と自信を携えたコメントが次々と出された点が印象的だった。

また、後半からラストシーンまでを駆け抜ける重要なパートを担当する渡邊美穂(チームハーモニカ)は「今日、後半のシーンを演じながら初めて涙が出てきて。役にのめり込めたのかな」と、通し稽古とは全く違う観客入りのステージで新境地を切り開いたようだった。

厳しい練習にも「20人で支え合って」といった言葉が出されるなど強い結束力と高い演技力で届けられる、ひらがなけやきの「あゆみ」。このファンならずとも感涙を禁じ得ない意欲作を是非ご堪能あれ。