マーリンズのCEOとしてチーム改革に取り組むデレク・ジーター氏【写真:Getty Images】

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選手会が「投げ売りビジネス戦略」に懸念、MLBコミッショナー側に伝える

 デレク・ジーター氏が新オーナーに就任したマーリンズが選手の大量放出を敢行していることを受け、大リーグ選手会が懸念を抱いていると米メディアが伝えている。ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」電子版が報じている。 

 チーム再建に向け、荒療治に着手しているマーリンズ。新たな経営陣は今オフ、主力選手を次々と放出し、チームに激震が走った。若手の見本としてチームを支えたイチロー外野手との契約オプションを行使しないことを決断すると、その後は昨季59発、132打点の2冠&MVPのジャンカルロ・スタントン外野手、盗塁王のディー・ゴードン内野手、3割30発100打点のマルセロ・オズナ外野手らをトレードで放出。そして今月25日(26日)には生え抜きの主力クリスチャン・イエリッチ外野手もブルワーズへトレードとなった。チームの顔となる選手たちが退団していく中で、トレードを直訴する選手も出ている。 

 そんな中、「デイリー・ニューズ」は26日(同27日)、「デレク・ジーターのもとで行われるマーリンズの投げ売りがMLB選手会を悩ませる」との見出しで記事を掲載。イエリッチのトレードを受け、選手会がメジャーリーグのロブ・マンフレッドコミッショナーサイドと連絡を取り合い、“ファイヤーセール”に懸念を伝えたことをレポートした。 

 同紙は人件費の削減のためとはいえ、ひと冬で主力の大半を放出することは選手会のみならずMLB全体にとっても悪印象を及ぼす可能性を指摘。マーリンズと同様、パイレーツの名前も挙げており、「冬の投げ売りビジネス戦略」に疑問を呈している。記事の中で選手会の関係者は「我々はマイアミとピッツバーグに関して懸念を抱いている。さらなる協議を望んでいる。それが我々の次のステップを決定づけるだろう」とコメントしている。 

 船出から大改革に踏み切った新生マーリンズ。その戦略は奏功するのか。その行く末に大きな注目が集まっている。(Full-Count編集部)