日本は後半27分にゴールを破られた

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[11.14 国際親善試合 日本0-1ベルギー ブルージュ]

 日本代表は14日、ベルギー・ブルージュのヤン・ブレイデルスタディオンで国際親善試合を行い、ベルギー代表に0-1で敗れた。狙いとする守備がハマって粘り強く試合を進めていたが、後半27分に均衡を破られた。過去の対戦成績ではベルギーに2勝2分と負けていなかったが、5度目の対戦で初黒星を喫した。

 日本は10日のブラジル戦(1-3)から先発2人を変更。FW久保裕也、MF長谷部誠がベンチスタートとなり、代わってFW浅野拓磨、MF長澤和輝が先発した。長澤はこれがA代表初出場初先発。システムは4-3-3を採用し、GK川島永嗣、4バックは右からDF酒井宏樹、DF吉田麻也、DF槙野智章、DF長友佑都と並んだ。中盤はMF山口蛍をアンカーに置き、インサイドハーフに長澤とMF井手口陽介。3トップは右に浅野、左にFW原口元気、中央にFW大迫勇也が入った。[スタメン&布陣はコチラ]

 立ち上がりは日本が積極的な入りを見せる。インサイドハーフの長澤がMFアクセル・ビツェル、井手口がMFケビン・デ・ブルイネという相手のダブルボランチに厳しく寄せるなど、3-6-1のシステムを組むベルギーに対して連動したプレッシングを見せた。

 前半13分、山口の横パスがカットされ、カウンターのピンチを招く。FWドリース・メルテンスがドリブルで駆け上がり、右サイドのFWトルガン・アザールに展開。ラストパスにFWロメル・ルカクが飛び込んだが、川島が体を張って抑えた。

 徐々にベルギーがボールポゼッションを高め、日本陣内での展開が続く。前半18分、メルテンスの左クロスにルカクが頭で合わせるが、ゴール上へ。同22分にはDFトーマス・ムニエの横パスを受けたデ・ブルイネがフィニッシュに持ち込んだが、シュートは川島が弾き出した。

 我慢の時間が続く日本は前半26分、最終ラインから吉田が右サイドに浮き球のパスを送り、酒井宏のアーリークロスに大迫が頭で合わせたが、枠外。同40分には右サイドから井手口がFKを蹴り込み、吉田がヘディングで狙ったが、クロスバーを越えた。

 スコアレスで折り返した後半も日本が粘り強いディフェンスで対抗し、ベルギーにボールを持たれながらも決定的な場面はつくらせない。先に動いたのはベルギー。後半15分、メルテンスに代えてFWケビン・ミララスを投入すると、同17分にはデ・ブルイネが下がり、MFムサ・デンベレがボランチの位置に入った。

 日本も後半17分に最初の交代を行い、長澤に代わってMF森岡亮太が入る。ベルギーは後半21分、ムニエがルカクを狙ったロングボール。飛び込んだ吉田がかわされ、ルカクがPA手前でボールをおさめて左足でミドルシュートを狙ったが、槙野が体を張ってブロックする。日本は同23分、浅野に代えて久保を投入した。

 ここまで我慢強く耐えていた日本だったが、後半27分、ついにベルギーが日本ゴールをこじ開ける。MFナセル・シャドリが左サイドからドリブルで中に切れ込み、久保、森岡を振り切ってPA内に進入。さらに吉田もかわしてPA内左の深い位置までえぐると、ふわりと浮かしたクロスをファーサイドで待ち構えるルカクがヘディングで押し込んだ。

 ルカクはこれがベルギー代表史上最多得点記録となる国際Aマッチ通算31ゴール目。エースの新記録樹立に場内のボルテージも一気に高まり、直後の後半28分、FWディボック・オリジとの交代でベンチに下がった。日本も同じタイミングで大迫に代えてFW杉本健勇を投入。同32分には相手のミスからこぼれ球を拾った杉本が左足ミドルを放つが、GKシモン・ミニョレに阻まれた。

 日本は後半33分、原口に代わってFW乾貴士が左サイドに入る。直後の後半33分、投入されたばかりの乾が左サイドから中に切れ込み、右足でミドルシュート。しかし、これもミニョレの好セーブに阻まれ、同点ゴールとはならなかった。

 ベルギーは後半39分、ビツェルに代えてMFスティーブン・デフール、シャドリに代えてDFジョルダン・ルカクを投入。日本も同41分、それまでのプレーで足を痛めていたか、酒井宏に代わってDF酒井高徳が入った。何とか同点に追いつきたい日本だったが、最後の反撃も及ばず、そのまま0-1でタイムアップ。ブラジル、ベルギーという世界トップレベルの相手に挑んだ欧州遠征は2連敗に終わった。

(取材・文 西山紘平)


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