スペインのカイシャバンクがバレンシアに開業した新本店(2017年10月7日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】独立問題に揺れるスペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州に本社を置く大小の企業1200社近くが、独立の是非を問う住民投票が行われて以降、登記上の本社を州外へ移転させたことが分かった。スペインの商業登記当局が明らかにした。

 住民投票は今月1日、違憲とされながらもカタルーニャ自治州で行われた。混乱する政治情勢の影響を最小限に抑えようと、投票日の翌日2日から19日までの間に、同自治州に本社を置く企業のうち1185社が、本社登記住所を国内の別の都市に移した。

 中でも、中央政府がカタルーニャ自治州の自治権停止に向けた方針を示した今週19日には、268社が一斉に本拠地を移転させた。

 カタルーニャ自治州はスペインの経済生産高の5分の1を担っており、企業約50万社が拠点を置いている。

 すでに同国金融3位のカイシャバンク(CaixaBank)やエネルギー企業ガス・ナトゥラル(Gas Natura)といった大手から、食品メーカーのイディリアフーズ(Idilia Foods)のような中小企業まで、大小の企業が本拠地を移転させている。

 同自治州の中小企業団体「Pimec」の調査によると、従業員250人以下の企業約1300社が州外への本拠地移転を決定しているという。調査対象となった企業のうち約35%が、カタルーニャの独立をめぐる危機によってマイナスの経済的影響が出ていると回答しており、また19%が投資を凍結、あるいは凍結する予定があると回答した。また約2%は、過去数週間のうちに銀行を変更したとも回答した。

 ソーシャルメディア上ではスパーリングワインの「カバ」などカタルーニャ産の製品をボイコットしようといった呼び掛けが出ているが、Pimecの代表を務めるジュゼップ・ゴンサレス(Josep Gonzalez)氏は、民放テレビ局アンテナ3(Antena 3)のインタビューで、そうした不買運動は「誰にとっても望ましくない」と述べた。

 同氏は、カタルーニャ製品はスペインの他の地方で買われている製品の「かなりの割合」を占めていると述べ、「カタルーニャはスペインに製品を供給しているし、スペインもカタルーニャから買ったり、カタルーニャへ売ったりしている。ボイコット運動になれば、全員が傷つく」と語った。

 スペイン政府は、カタルーニャの独立問題によって生じた経済の不透明感から、2018年度の年間成長予測を2.3%に切り下げている。
【翻訳編集】AFPBB News