“シェアードユニバース”とは、マーベルがマーベル・シネマティック・ユニバースと称して「アイアンマン」や「アベンジャーズ」等を、共通の世界観の中で描くという手法です。そして「キングコング:髑髏島の巨神」(日本でも大ヒット!)も“モンスター・バース”という世界観の中で、ハリウッド・ゴジラと繋がるとご紹介させていただきました。

さらにトム・クルーズとラッセル・クロウが共演するホラー・アクション「ザ・マミー:失われた砂漠の女王」も“ユニバーサル・モンスターズ・ユニバース”というホラーな怪物たちが存在する世界の始まりになると説明させていただきましたが、それを裏付ける動画がリリースされました。

ラッセル・クロウ演じる博士がトム・クルーズに“Prodigium プロディジウム”という組織の存在を明かします。どうやらこの組織は、世界中の、人知を超えた邪悪と戦う組織らしい。牙の生えた人骨の標本が、もしかしてドラキュラの標本?そう、この“ユニバーサル・モンスターズ・ユニバース”は“Prodigium プロディジウム”という組織によってつながっていくのでしょう。ちなみ“Prodigium プロディジウム”とは予兆や怪異、モンスターが近づいてくることの警告みたいな意味だそうです。
またラッセル・クロウ演じる博士の名前はジキル博士と言って、これは有名な怪奇小説主人公。彼は小説等では薬の力でハイドという極悪人に変身してしまう、つまり二重人格のサイコパスなのです。ハルクの元ネタとも言われています。怪人が怪人たちを追う組織のリーダーというのもいいですね。

こういう組織という設定を置くと、それを狂言回しに使って“シェアードユニバース”
が語りやすくなります。そして“ユニバーサル・モンスターズ・ユニバース”は今後“ダーク・ユニバース”というプロジェクト名で展開されていくことが発表されました。

“ダーク・ユニバース”は、まず2019年2月14日に「フランケンシュタインの花嫁」のリメイク(監督は「美女と野獣」のビル・コンドン。フランケンシュタインの怪物役に「ノーカントリー」でアカデミー賞をとったハビエル・バルデム)が公開予定。
さらにジョニー・デップ出演で「透明人間」が決定。そして噂レベルではドウェイン・ジョンソン出演で狼男映画、スカーレット・ヨハンソンがヒロインを演じると言われている「大アマゾンの半魚人」、さらに前述の「フランケンシュタインの花嫁」には女人造人間役でアンジェリーナ・ジョリーも出演との噂も。
また「ザ・マミー」の監督で、このダーク・ユニバースを構築するキーマンのアレックス・カーツマンは、インタビューに答える形で『「ドラキュラ」や「ノートルダムのせむし男」「オペラ座の怪人」も考えており、マイケル・ファスベンダーやジェニファー・ローレンスあたりにも出て欲しい』と発言。もしかすると「アベンジャーズ」みたいに、ユニバーサル・モンスターズが集まってチームを組んで戦う、ホラー版アベンジャーズみたいな設定がダーク・ユニバースに登場するかもですね!

さてキングコングやゴジラのいる“モンスター・バース”は、モナーク機関という組織が怪獣たちを追う設定になっています。
「アベンジャーズ」が活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”ではサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーがいたシールドがこの役割を担います。
バットマンが活躍する世界で「スーサイド・スクワッド」を組織し、DCエクステンディッド・ユニバース(DCフィルムズ)でヒーローやヴィランを見張るのは、あの非情の女ボス アマンダ・ウォーラーが所属するアーガスです。そして前述のとおり、“ダーク・ユニバース”はプロディジウムが仕切っていきます。

まとめると
・シールド・・・マーベル・シネマティック・ユニバース(超人担当)
・アーガス・・・DCエクステンディッド・ユニバース(超人担当)
・モナーク・・・モンスターバース(巨大怪獣担当)
・プロディジウム・・・ダーク・ユニバース(魔物・怪物担当)

ちなみに「エイリアン」シリーズでは、ウェイランド湯谷社という日系企業が、一連のエイリアン事件の裏側で糸をひいている、という設定なのです。

文・杉山すぴ豊

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