肌の色は関係ない。子供たちから学ぶ大人は多い(出典:https://www.facebook.com/lovewhatreallymatters)

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人種差別が蔓延する社会で、大人たちが子供に教えなけばならないことは多くあるはずだ。しかしこのほど大人が子供に教えられるという出来事があり、わずか2歳の女児の言葉に多くの称賛の声が寄せられている。

純真無垢な子供たちは、肌の色が異なることなど何の問題にもしていないということを実感させられる出来事があったのは4月1日、米ノースカロライナ州のスーパー「Target」内だ。

この日、ブランディー・ブレナーさんと夫のニックさんは2歳になる娘のソフィアちゃんを連れて「Target」に出かけた。ソフィアちゃんはここ1か月間、トイレトレーニングが順調で「そのご褒美に」とやって来た。ソフィアちゃんは人形が大好きで、今回選んだのはお医者さんの格好をした人形だった。

レジカウンターへ行くとスタッフ(性別・名前は明かされていない)が「誰かのお誕生日会に行くの?」とソフィアちゃんに話しかけた。また「その人形、お友達のために選んであげたの?」と訊ねたため、母のブランディーさんが事情を説明し「娘へのご褒美なの」と答えると、スタッフは困惑した様子でソフィアちゃんに問いかけた。

「あなた、本当にその人形が欲しいの?」

ソフィアちゃんが選んだのは、黒人の女の子がお医者さんの格好をした人形だった。「うん!」と返事をするソフィアちゃんに、スタッフは「でも、その人形はあなたに似ていないよ。ここにはあなたに似たお人形がたくさんあるよ」と言った。

それを聞いていたブランディーさんは、怒りを感じた。ソフィアちゃんが白人だからといって自分と同じ肌の色の人形を選ばなければならない理由はどこにもない。むしろ肌の色など問題ではないから娘はこの人形を選んだのだ…ブランディーさんが差別発言ともとれる言い方をしたスタッフに苦情を言おうとすると、ソフィアちゃんがスタッフにこう伝えたのである。

「ううん、(私に)似てるわ。私はお医者さんで、この子もお医者さんなの。私も可愛いし、この子も可愛い。見て、この子の髪かわいいでしょう。聴診器もあるのよ。」

ソフィアちゃんは若干2歳でありながらお医者さんに非常に強い憧れを抱いているために、今回この人形を選んだのだとブランディーさんはFacebookアカウント「Love What Matters」の中で綴っている。

スタッフはそれ以上ソフィアちゃんに差別的な発言はせず「おや、ほんと。いいね」と言っただけだったそうだが、ブランディーさんは「この出来事は肌の色なんて問題ではないということを再認識するきっかけになりました。肌の色が異なることは髪や目の色が異なることと同じで、どんな姿もみな美しいのです」と述べており、普段ブランディーさん夫妻がソフィアちゃんにとても素敵な子育てをしていることがうかがえる。

この投稿は『Mashable』や『Elite Daily』など複数のメディアで取り上げられ、拡散されると同時に幼い少女とその両親に対する称賛のコメントが相次いだ。

「そういう風に切り返すなんて、2歳なのにやるね。偉いわ。」
「確かに、差別主義者が存在することを世間から教えられるだけであって、誰も最初からそのように生まれてこないよね。」
「内面も外見も美しいソフィアちゃん、両親の子育ての仕方が素敵なんだと思う。」

「Love What Matters」のこの投稿には、これまで2万件近いシェアと15万超の「いいね!」が寄せられている。

出典:https://www.facebook.com/lovewhatreallymatters
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)