もちろん、ボトムアップ調査の結果は、具体的に投資するファンドを構成する銘柄の選別にも活かされる。当ファンドの過去のパフォーマンスを分析したところ、戦略的な資産配分効果によるパフォーマンスの上乗せ効果と、個別調査の結果による銘柄選別効果による上乗せ効果が概ね半々という結果になった。戦略的資産配分に、個別銘柄調査の結果を活かすメリットがわかっていただけると思う。
 
――「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」には、「年1回決算型」と「毎月決算型」、そして、それぞれに「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」との4コースがある。この使い分けは?
 
 ひとつのアイデアとして、定年までの期間を「資産を積み上げるステージ」、定年以降を「運用しながら使うステージ」として位置付けるとする。前半の資産を積み上げるステージでは、年1回決算の「資産成長型」を使って積み上げる方が効率的だ。そして、運用しながら使うステージでは、「毎月決算型」を活用する。為替ヘッジは、為替のリスクを取る方が、その分、価格変動率が高くなるので、より高いリターンを狙うことができる。より安定したリターンを求める場合は、為替ヘッジありを選ぶようにする。
 
 たとえば、運用しながら使うというステージで、退職時に2800万円の資金があったとする。その退職時の資金を75歳まで毎年、月平均8万円を取り崩したとする。運用しなければ、75歳時に資金総額は1552万円に減っている。退職時資金を全て「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」に投資して、月平均8万円を取り崩した場合、75歳時点での資金は3152万円に増えている。75歳以降には、医療費や介護費用など、より多くの出費が考えられるので、運用によって貯えを増やしておく意義は大きい。5%程度のインカム収益を目指す「フィデリティ・コア・インカム・ファンド」だからこそ、このような運用のイメージを持つことができる。ぜひ、このような使い方も参考にしていただき、計画的な資産形成に役立てていただきたい。