一時期流行った「レイバンスパム」の正体に迫る

ひところツイッターやFacebookなどで、「レイバン(Ray-Ban)」のスパムが猛威をふるったことを、あなたは覚えているだろうか。

アカウントを乗っ取り、「ファッションレイバンのサングラス今日限り3499円」などと、怪しい日本語でレイバンのサングラスを買わせようとしてくるこのスパム。その誘導先は、中国などの「詐欺サイト」「偽造品サイト」といわれ、公式などは不用意に購入しないよう呼びかけている。



でも、実際のところはどうなのだろうか。そもそも本当に届くのか、届いたとして、それは本物なのか偽物なのか。

今回のJタウン探検隊ではレイバンスパムの正体を探るべく、T編集長が実際に、このスパムに「引っかかってみた」。

公式ショップをパクった怪しい通販サイト

今回見つけ出したのは、「レイバン会社」を名乗るアカウントがFacebookで投稿していた、こんなスパムメッセージだ。

「レイバンの年次慈善のイベントのすべてのサングラスは3499円の価格をメガネ!イベントは3日間持続します!」

うーん。すでに日本語がおかしい。「メガネ!」って。

とりあえず、この投稿にあるURLに飛んでみる。



一見すると、レイバンの公式オンラインショップにそっくりだ。というか、完全にパクっている。これでもかというほどに掲げられたロゴが余計に怪しい。

商品一覧ページはこんな感じ。掲載されているのは、すべておなじみのレイバンのサングラスだが......。



比較的それらしくみせている商品ページに対して、「このサイトについて」のコーナーは完全に日本語が崩壊している。「ご利用規約」は真っ白、連絡先や会社概要に至ってはページ自体が見つからない。雑な作りである。





とりあえず、実際に商品を購入してみることに。値段は3499円。本物が2万円近いことを考えれば、「まあ安いものか......」と思っていたが、なんと送料として2300円がプラスされる。合計5799円だ。シャレで買うには結構キツい。

そして、2週間後...

めちゃくちゃな日本語に苦戦しつつも、なんとか購入を完了。ちなみにさすがに得体の知れない相手にクレジットカード情報を渡すのは怖いので、今回はプリペイドカードを使っている。


注文するT編集長。「領収書切れるかな......」

普通なら注文確認のメールなどが届くところだが、あいにくそうしたサービスはいっさいなし。マイページから確認しても、「Processing(処理中)」とあるのみで、到着の見込みなども一切わからない。

本当に届くのだろうか――期待せずに待つこと、およそ2週間。郵便受けに、くしゃくしゃの袋に入った国際郵便物が届いていた。中国からである。

「ほ、本当に届いた!」

「いやー、お金をどぶに捨てたかと思った」と喜ぶT編集長に、お隣のJ-CASTニュース編集部のS記者が、「いくら戻って来たかは微妙なところだけどね......」と辛辣な一言。

送り主の名前として記されていたのは、広東省F市にあるという「C貿易有限公司」である。また、明細の名義には、「Y」という会社名が。調べてみると、F市に同じ名前の企業が存在していたが、それ以上の詳細は分からなかった。



本当の価格は、なんと8ドル

さあ、開封だ。



現れたのは、ベコベコにへこんだ箱である。一応、デザインは本物と同じだが、本来必ず貼ってあるはずの商品ステッカーなどはない。



ケースも、一応それらしいが......。うーん。

さあ、いよいよ「レイバン」とご対面――。



これが中国からやってきた「レイバン」だ!





うーん。一応、商品タグやシール、また「Ray-Ban」の印字などは入っているけれど......。



「本物」を持っている先輩記者がのぞきこんで、「なーんか安っぽい気がするなあ」。





果たして本物か、偽物か――そうそう、そういえば小包ラベルに、気になることが書いてあった。内容品の「価格」の欄があるのだが、そのお値段がなんと――



USD:8.00。8ドル。800円強。

もう、これ以上言葉はいらないだろう。

とりあえず実際にかけてみました

せっかく買ったので、T編集長が偽レイバン(800円)を実際にかけてみることにした。

普段はこんな感じのT編集長が......。



偽レイバン(800円)をかけると、こんな感じに。







一気にうさんくささ10割増しである。やっぱりパチモンじゃダメですね。

なお、しばらくして件のサイトを覗いてみたところ、案の定消滅していたことを、最後に付け加えておく。