[OH!バンデス - ミヤギテレビ] 2016年6月17日放送の「なんでやねん!?宮城解体新書」のコーナーで、仙台名物・牛タンの意外な真実について紹介していました。

言わずと知れた仙台名物、牛タン。他県から訪れる際には「牛タンを食べよう!」と楽しみに来る方も多く、市内の牛タン専門店は土日ともなれば行列を成す人気です。

仙台といえば牛タン(Sendai Blogさん撮影、flickrより)

仙台人のソウルフードと思われがちですが、近年、地元の人は牛タンをあまり食べていないのだとか。街頭調査でも「年に1、2回かな」「お客さんが来た時におもてなしとして食べるくらい」と、控えめな消費傾向にあります。ではなぜ、仙台人は牛タンをあまり食べないのでしょうか。

かつては「庶民の味」だった

実際のところを市内の牛タン専門店「炭焼き牛たん おやま」さんで伺うと、28年前の創業当時は地元サラリーマン客が多かったそうで、価格も850円ととてもリーズナブルだったことから、リピートで訪れる方も多かったと言います。

ところが2003年末、あのBSE問題により牛タンの仕入れ値が約5倍も高騰したことから、お店もメニューの値上げを余儀なくされてしまいます。更にリーマン・ショックが追い討ちをかけ、牛タン業界を支えてきた常連のサラリーマンも「ランチタイムに月2回」程度に足が遠のいてしまいました。

現在の牛タン定食の相場は1500円以上で「食べたいけれど高くて手が出ない」というのが、安かった時代を知っている仙台人の本音なのです。

こうして現在の仙台牛タン各店では、他県人が8割・仙台人が2割と圧倒的にアウェーな雰囲気に包まれています。今や牛タン業界は、観光や出張で仙台に来る方々によって支えられているんです。

次から次へとやってくる問題に、牛タン専門店の苦労は相当なものだったはずです。価格上昇は致し方ないところですが、美味しい牛タンのお店を守り続けてほしいですね。(ライター:M.)