『彼岸花が咲く島』(李 琴峰) 日本で生まれ、日本で育ち、日本国籍を持っている。 そういう人びとの多くにとって、たとえば日本語とは空気のようなものだろう。当たり前のようにそこにあって、当たり前のようにその中で呼吸をしている。息が吸えなくなるなんて想像もしていない。 それはしらずしらずのうちに考える機会を放棄しているということでもある。 李琴峰の小説を読むといつも目の覚めるような思いがするの