誰の目も気にせず、誰にも忖度せず、唯我独尊、己の信じた道をひたすら突き進む。強靱な魂と鋼のメンタルを持つ者だけしか到達しえない境地ーーそれが”孤高”。そんな存在に憧れたことはないだろうか? 私はある。   「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。あまりにキャッチー過ぎる一文が話題になり、2023年の発売より重版を重ね、2024年「本屋大賞」を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈・著/新潮