日本でもソフトバンクで2年間プレーしたニコースキー氏がマリナーズの不安要素について言及した [Getty Images]

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 元メジャーリーガーで、2007年〜08年には日本の福岡ソフトバンクホークスでもプレーしたクリストファー・ニコースキー氏(現解説者)が『FOX SPORTS.com』にマリナーズに関する記事を寄稿。2001年以来のプレーオフ進出へ向け、積極的な補強策を推し進めているマリナーズであるが、ニコースキー氏は一抹の不安を指摘している。

 「マリナーズ、補強を進めるもローテーションに課題あり」と題された記事によると、昨年のロビンソン・カノに続き、今年はリーグ本塁打王のネルソン・クルーズを獲得。さらにはブルージェイズのメルキー・カブレラの獲得にも意欲を見せるなど、留まるところを知らない攻撃陣の補強には一定の評価を与えたものの、先発ローテーションには課題が残ると言う。

 中でも「絶対的エースである“キング”ことF.ヘルナンデスは安心して見ていられるが、岩隈には不安もある」とし、今季最後の7試合は調子を崩し、防御率7.88と苦しんだ点を挙げ、また過去の例を見ても日本人先発投手はメジャー3年目以降に数字を落とす傾向があることを指摘した。

 日本時代に対戦した岩隈について、「メジャーでも通用すると思っていた」と言うニコースキー氏であるが、来年4月で34歳となる右腕に信頼を寄せすぎるチームには不安を抱いている。

 1年後にFAも控えているということもあり、「状況によっては来シーズン中にでも他チームから岩隈へトレードのオファーがあれば、少なくとも耳は傾けるべきである」としている。

 また、最後には今オフ中から岩隈の放出に備え、ヘルナンデスに次ぐ先発2番手の補強に乗り出すべきであると提言。候補としてFA市場で“ビッグ3”と呼ばれるM.シャーザー、J.レスター、J.シールズからは少し劣るものの、実力は折り紙付きであるB.マッカーシー、E.サンタナ、E.ボルケスの3人を挙げた。

◆ クリストファー・ニコースキー

 1995年にシンシナティ・レッズでメジャーデビューを果たすと、以降はタイガース、アストロズ、メッツ、レンジャーズ、ブレーブス、ヤンキース、ナショナルズと11年間で8球団を渡り歩いたジャーニーマン。さらに07年から2年間は日本の福岡ソフトバンクホークスでプレーし、09年からは韓国でも2年間プレー。12年にアメリカへ戻り、メッツと契約するもメジャー登板はなく、現役を引退した。引退後は『MLB.com』のアナウンサーに就任し、また『FOX SPORTS』などのテレビ局、ラジオ局でMLBアナリストとして活動している。