高性能なXperiaやiPhoneは夏に弱い?今時のスマホの発熱対策
スマートフォンは、CPUや解像度、描画速度が向上した反面、発熱も増加している。スマートフォンを使用したり、ポケットに入れたりして「熱い!」と感じた人も多いだろう。
実はこの発熱が、スマートフォンにとっては、大きな問題になることをご存じだろうか。
●小型軽量・薄型がスマホの熱問題を深刻化する
スマートフォンはパソコン同様にハイテクパーツの塊である。パソコンがCPUやメモリ、グラフィックチップの発熱による熱暴走でダウンすることは大きな問題として知られている。さらにスマートフォンは、液晶やカメラやGPSといった発熱しやすいパーツも内蔵している。
メッセンジャー系の通信アプリなどは、常に送受信を繰り返すもので発熱の原因となる。
問題は、小さな本体に、このような発熱の多いパーツと熱に弱いバッテリーが隣接して納められていることだ。特に最新のスマートフォンの多くは、大画面化や高機能化で大型化するも、厚みは薄くなっているため、放熱性能に矛盾をもたらしているといえるだろう。
●何度がスマホの危険温度なのか
それでは、スマートフォンやバッテリーの異常状態の温度の目安とは何度なのだろうか。
バッテリーメーカーのリチウムイオン電池に関する技術資料によると、充電時は「0度〜40度」放電時は「0度〜60度」がバッテリー寿命のための推奨温度範囲と定められている。
CPUはパソコンでもスマートフォンでも約100度までは大丈夫だと言われているのに比べれば、バッテリーがいかに熱に弱いかはわかるだろう
夏場の屋外はスマホが高温になることも
●バッテリー搭載方法で異なる危険度
バッテリーの熱劣化は、バッテリーの内蔵方法や防水など密閉度によっても大きな差がうまれる。
★バッテリー内蔵+防水タイプ
最も発熱の影響が大きくなるのがXperia Z1やXperia Z2などのバッテリーが取り出せない内臓式で、さらに防水性能が施されているタイプのスマートフォンだ。気密性が高いので放熱効率も悪い。こもった熱の逃げ場が無いので温度が冷めにくい。
★バッテリー内蔵タイプ
iPhoneシリーズNexus5などは、防水ではないが、やはりバッテリー内蔵式なので気密性が高く、熱がこもりやすく逃げにくい。ただし防水仕様ではないのでイヤホン端子や充電端子、スピーカーやマイクといった箇所からの放熱には多少期待がもてる。
★急速充電対応タイプ
最近のスマートフォンに多い急速充電タイプは充電時の発熱が大きい。急速充電はバッテリーに負荷をかけるため、本体の温度が上昇している際の充電では発熱リスクが高くなる可能性がある。
★防水+バッテリーパック交換タイプ
GALAXY S5などのバッテリー交換ができる防水仕様スマートフォンも注意が必要だ。防水対応機種では、内部に水を浸透させないように隙間や開口部などにパッキンやシールを施し、気密性を高めている。このため熱がこもりやすくなる。
★既存のバッテリーパック交換タイプ
上記4つのタイプよりは放熱性が良いが、薄型の機種は発熱しやすくなっている。金属製ボディーの機種は、熱を逃がす放熱効率が高い反面、熱伝導率の良さがあだとなって熱が上がりやすいという側面もある。
最新のXperiaシリーズは冷却効率が悪い?
●発熱を防ぐ&冷却方法
では、異常な高温を防ぐ方法とはどのようにすればいいのだろうか。
これからの季節は特にだが、屋外や日の差し込む窓際、車のダッシュボードなど、温度が上昇しやすい場所での放置や長時間の使用は控えたいところだ。アウトドアのレジャーなどでは日陰での保管を心がけたほうが良いだろう。
もしも高温状態に陥ってしまった場合、どう対処すればよいのだろうか。
対処方法は1つしかない。極めて当たり前のことだが「冷ます」ことだ。
とはいえ、「早く冷ます」ために、エアコンの冷気に直接当てたり、冷蔵庫に入れたり、防水対応機種だからといって水に浸けたりといった行為は避けよう。バッテリーやスマートフォン本体にも悪影響が出る可能性があるからだ。
★正しいスマートフォンの熱を冷ます方法
・電源を一旦切る。
実は、これだけでスマートフォンの発熱はかなり解消できる。電源ボタンを押して画面を消しただけでは、バックグラウンドで動作しており、熱が下がらないケースがあるのだ。
・再起動する。
これも実は効果的な方法だ。一旦再起動するとこで、起動中のアプリが終了され、再起動後の動作では、発熱が抑えられることが多い。
・フライトモードにして通信機能や一部機能を停止させる
通信は発熱の原因でもあるので、通信を一時的に停止するだけでも放熱には効率的だ。
特に移動時などで利用するとよいだろう。
・バッテリー取り外しができる機種の場合
画面を消し、背面カバーをはずして少し放置するのも良いだろう。
本稿で紹介した方法を試すなどしても「発熱する」、「常に高温になる」といった場合は、バッテリーの不具合や故障も考えられるので、直ぐにキャリアショップで相談しよう。
気温の高くなる夏は、スマートフォンの発熱が多くなるため、十分配慮したほうが良いだろう。
甲斐 寿憲
実はこの発熱が、スマートフォンにとっては、大きな問題になることをご存じだろうか。
●小型軽量・薄型がスマホの熱問題を深刻化する
スマートフォンはパソコン同様にハイテクパーツの塊である。パソコンがCPUやメモリ、グラフィックチップの発熱による熱暴走でダウンすることは大きな問題として知られている。さらにスマートフォンは、液晶やカメラやGPSといった発熱しやすいパーツも内蔵している。
メッセンジャー系の通信アプリなどは、常に送受信を繰り返すもので発熱の原因となる。
問題は、小さな本体に、このような発熱の多いパーツと熱に弱いバッテリーが隣接して納められていることだ。特に最新のスマートフォンの多くは、大画面化や高機能化で大型化するも、厚みは薄くなっているため、放熱性能に矛盾をもたらしているといえるだろう。
●何度がスマホの危険温度なのか
それでは、スマートフォンやバッテリーの異常状態の温度の目安とは何度なのだろうか。
バッテリーメーカーのリチウムイオン電池に関する技術資料によると、充電時は「0度〜40度」放電時は「0度〜60度」がバッテリー寿命のための推奨温度範囲と定められている。
CPUはパソコンでもスマートフォンでも約100度までは大丈夫だと言われているのに比べれば、バッテリーがいかに熱に弱いかはわかるだろう
夏場の屋外はスマホが高温になることも
●バッテリー搭載方法で異なる危険度
バッテリーの熱劣化は、バッテリーの内蔵方法や防水など密閉度によっても大きな差がうまれる。
★バッテリー内蔵+防水タイプ
最も発熱の影響が大きくなるのがXperia Z1やXperia Z2などのバッテリーが取り出せない内臓式で、さらに防水性能が施されているタイプのスマートフォンだ。気密性が高いので放熱効率も悪い。こもった熱の逃げ場が無いので温度が冷めにくい。
★バッテリー内蔵タイプ
iPhoneシリーズNexus5などは、防水ではないが、やはりバッテリー内蔵式なので気密性が高く、熱がこもりやすく逃げにくい。ただし防水仕様ではないのでイヤホン端子や充電端子、スピーカーやマイクといった箇所からの放熱には多少期待がもてる。
★急速充電対応タイプ
最近のスマートフォンに多い急速充電タイプは充電時の発熱が大きい。急速充電はバッテリーに負荷をかけるため、本体の温度が上昇している際の充電では発熱リスクが高くなる可能性がある。
★防水+バッテリーパック交換タイプ
GALAXY S5などのバッテリー交換ができる防水仕様スマートフォンも注意が必要だ。防水対応機種では、内部に水を浸透させないように隙間や開口部などにパッキンやシールを施し、気密性を高めている。このため熱がこもりやすくなる。
★既存のバッテリーパック交換タイプ
上記4つのタイプよりは放熱性が良いが、薄型の機種は発熱しやすくなっている。金属製ボディーの機種は、熱を逃がす放熱効率が高い反面、熱伝導率の良さがあだとなって熱が上がりやすいという側面もある。
最新のXperiaシリーズは冷却効率が悪い?
●発熱を防ぐ&冷却方法
では、異常な高温を防ぐ方法とはどのようにすればいいのだろうか。
これからの季節は特にだが、屋外や日の差し込む窓際、車のダッシュボードなど、温度が上昇しやすい場所での放置や長時間の使用は控えたいところだ。アウトドアのレジャーなどでは日陰での保管を心がけたほうが良いだろう。
もしも高温状態に陥ってしまった場合、どう対処すればよいのだろうか。
対処方法は1つしかない。極めて当たり前のことだが「冷ます」ことだ。
とはいえ、「早く冷ます」ために、エアコンの冷気に直接当てたり、冷蔵庫に入れたり、防水対応機種だからといって水に浸けたりといった行為は避けよう。バッテリーやスマートフォン本体にも悪影響が出る可能性があるからだ。
★正しいスマートフォンの熱を冷ます方法
・電源を一旦切る。
実は、これだけでスマートフォンの発熱はかなり解消できる。電源ボタンを押して画面を消しただけでは、バックグラウンドで動作しており、熱が下がらないケースがあるのだ。
・再起動する。
これも実は効果的な方法だ。一旦再起動するとこで、起動中のアプリが終了され、再起動後の動作では、発熱が抑えられることが多い。
・フライトモードにして通信機能や一部機能を停止させる
通信は発熱の原因でもあるので、通信を一時的に停止するだけでも放熱には効率的だ。
特に移動時などで利用するとよいだろう。
・バッテリー取り外しができる機種の場合
画面を消し、背面カバーをはずして少し放置するのも良いだろう。
本稿で紹介した方法を試すなどしても「発熱する」、「常に高温になる」といった場合は、バッテリーの不具合や故障も考えられるので、直ぐにキャリアショップで相談しよう。
気温の高くなる夏は、スマートフォンの発熱が多くなるため、十分配慮したほうが良いだろう。
甲斐 寿憲