2・14は“ふんどしの日” ふんどしビジネスにかける男の物語

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 2月14日はバレンタインデーだけではなく、実は「ふんどしの日」でもあるのをご存じだろうか。これは2011年に日本ふんどし協会が制定した記念日だ。今年3回目となる「ベストフンドシスト賞2013」の 受賞者も決定している。
 大賞は古田新太さん。その他の受賞者は、上島竜平さん(ダチョウ倶楽部)、大島美幸さん(森三中)、いとうせいこうさん、ロックバンドの人間椅子、磐田市イメージキャラクターのしっぺい。『笑っていいとも!』など、テレビ番組でもふんどしが紹介され、ふんどしブームの兆しが来ているのだ。(ベストフンドシスト賞2013については「日本ふんどし協会」のウェブサイトを参照)

 本書『人生はふんどし1枚で変えられる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)の著者は、日本ふんどし協会会長の中川ケイジ氏。大卒で美容師になったあと、兄の経営するコンサル会社に転職するも、営業成績が悪く、思い悩みうつ病になってしまう。そんな中川氏の人生を「ふんどし」が変えた。サラリーマンを辞め、30万円を軍資金にふんどしで独立することに。
 本書はふんどしによって人生を復活させた中川氏の物語だ。

 うつ病を発症し、自宅療養をしていた中川氏は、ある時ふと思い出し、以前、取引先の会社の社長からすすめられて買ったふんどしを締めてみることにした。久しぶりに締める越中ふんどしは、お風呂上がりだったこともあり、以前より断然快適だった。日中にはいているパンツを脱いで、お風呂上がりからは越中ふんどし。1日のONとOFFとのメリハリが、この着替えを境に生まれることにグッときた中川氏。34歳にして初めて生活に取り入れるふんどしにワクワクしていたのだ。

 しばらくお風呂上がりの越中ふんどしを続けようと、追加注文のため、インターネットのあらゆる通販サイトでふんどしを探したが、デザインも種類もとても少なかった。
 「もっとおしゃれなふんどしがあればいいのに」
 ふんどしの凝り固まったメージを払拭することができるくらい、おしゃれなものをつくることができたら、ふんどしは世の中に広がるんじゃないか。ひょっとしたら、ふんどしはビジネスになるかもしれない。ビビビッと感じた瞬間だったという。誰かがやりはじめる前に、1日でも早くはじめなければ。「おしゃれなふんどし」を世に出したい。そんな新たな一歩を踏み出したいという気持ちが大きくなっていったそうだ。
 そして「退職し、起業する。ふんどしビジネスに挑戦するんだ!」と、中川氏は揺るぎない決心をしたのだった。

 おしゃれなふんどしブランド「SHAREFUN」をスタートさせ、同時に日本ふんどし協会を設立し、ふんどしの認知度アップを目指していた。徐々にふんどし普及を進めていた2012年、「壇蜜 ふんどし姿でパフォーマンス」というスポーツ紙の一面を目にした。ロボットレストランでイベントがあり、そこでふんどし姿になったという記事だったのだ。
 さっそく壇蜜さんに2012年ベストフンドシスト賞の授与に関してお願いすると、快く受けてもらうことになった。その後、テレビで紹介される機会も増え、今まで賛同することに躊躇していたふんどしメーカーも「自分たちのブランドも紹介してほしい」と、依頼が増えた。そして、「ふんどし」から「FUNDOSHI」へ。海外進出も考えていて、すでに動き出しているという。

 中川氏の努力によって着々と認知度、人気を広げているふんどし。快適で、健康にもいいという。ふんどしをはくのは、少し勇気がいるかもしれないが、一度、試してみてはどうだろうか。
(新刊JP編集部)