サッカージャーナリスト・小澤一郎氏のツイートが、話題を呼んでいる。

24日、小澤氏は滞在先のバレンシアから、スペインのチームに練習参加した選手たちについて「何かを与えられる、指示されて動くことに慣れている彼らは、突然持て余す時間を前にどうしていいかわからない」とツイート。同時に、「こういう選手を数多く見ていると、果たして選手個々の問題で片付けていいものなのか?」とも述べ、日本の育成年代に共通する問題であることを示唆している。

実際、日本の育成年代(中学生・高校生)は総じて"サッカー漬け"の毎日を送る。朝練を含むハードスケジュールを課され、休日が1年通じてほとんどないケースも。学生生活をサッカーに捧げることでタフさを身につける一方、自主性という面で物足りない選手は多い。

事実として、世界トップレベルのリーグであるスペインリーグで成功した日本人選手はいない。城彰二、大久保嘉人、西澤明訓、中村俊輔といった日本代表の主力クラスも総じて失敗に終わり、現在プレーする家長昭博(マジョルカ)もベンチ外の日々が続く。

唯一、3部リーグから叩き上げてきた指宿洋史(セビージャ)が気を吐く状況。指宿は柏ユースからトップに昇格できず、海外での武者修行を選択した、いわば「日本の育成環境を逸脱した」選手だ。

現在、海外でプレーする日本人選手は多いが、そのほとんどはドイツ・ブンデスリーガに集中している。そしてブンデスリーガは、世界トップレベルのリーグとはいえない。小澤氏の指摘するような状況が続く限り、スペインで通用する選手はなかなか出てこないのかもしれない。


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小澤一郎(Ichiro Ozawa)氏twitter
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