オンラインで12人対戦が熱い「ガーディアンヒーローズ」。ボスから町を歩いているじじいまで使える！
と言って「うおおお！」と分かってくれる人は握手握手。オンラインでボコりあおうぜ！
でも、「えっ、なにそれ？」という人も多いはず。
というのも１９９６年にセガサターンで発売されたゲーム。１５年前となるとさすがに遊んだことのない人も多いかもしれません。
しかしですね、「伝説」と言われるだけの所以があるのですよ。
一言で言えば「遊びを作る『遊び』を提案したゲーム」だからすごいんです。
今回の移植は、ほぼ新作レベルなほど大幅なパワーアップを遂げているので紹介いたします。
とはいえいかんせん古いゲームなので、まずは「ガーディアンヒーローズ（以下「ガーヒー」）」ってなに？というところから簡単に紹介します。
基本的には３ラインの横スクロールアクションゲームです。２D格闘ゲームと「ファイナルファイト」を足したような感じだと思っていただけるといいかと思います。技もコマンド入力式。
そこにさらにレベルアップの概念を加えました。要するにRPGですね。力（攻撃力）とか体力（防御力）とか。マジックポイントもRPGから採用。MPは相手をポカポカ殴れば回復しますので、攻める→魔法で一掃→攻める、と遊べます。
これを協力プレイして物語を進めていく、というのがストーリーモード。
とにかく格闘ゲーム色が強いので、ガードやバックステップなどかなり細かい動きができます。ここが大きなポイントの一つで、「横スクロールアクションゲームはすぐ死んじゃうし、慎重に動かないといけない」というハードルをぐっと下げました。敵陣に突っ込んで大量の敵を薙ぎ払え！ そして危険になったらバックダッシュか別のラインへすぐ逃げろ！
一人でプレイしていても、不死身の「アンデッドヒーロー」が味方についてくれるので、ぶっちゃけ経験値稼がないでこいつの影に隠れて逃げまわるだけでも勝てたりします。
これだけだったらでもまだ他にもありそうなゲームでしょう？
（いや当時は超斬新でしたし、ストーリーモードも３０面もあるんですが！）。
実は本作の真価は「バーサスモード（マルチプレイモード）」にあります。
基本的にストーリーモードで選べるキャラは５人。ですが、マルチプレイモードになると一気に４５人に増えます。
えっ、最近の格闘ゲームはそのくらいいるのが基本？ そうですね。
でもですよ。ラスボスから普通の町民まで使えるゲームって空前絶後ですよ。
いやほんと、中ボスクラスの人間型が使える、ってんならわかりますが、画面埋め尽くすような巨大ボスから、町を歩いてる普通のじじいまで使える。全くもって意味がわかりません。
えっ強さですか？ そんなのボスの方が強いに決まってるじゃないですか。
じじいなんてせきしかしないよ！
無茶を「遊び」に保つため、対戦前にレベル設定ができます。要するにじじいをレベル２００にして、ボスをレベル１にしたら、そこそこ遊べちゃうんですよ。
巨大ボスを華麗に避けながらせきで吹き飛ばすじじい。かっこいいです。
今ならオンラインだから別々の画面で、大人数のマルチプレイ、というのも多々ありますが、当時はオンライン機能開発中状態でしたから、マルチプレイ＝一つの画面で多人数プレイ。
つまり「ガーヒーやろうぜ！」＝「６人で画面の前に集まって遊ぼうぜ！」だったんですね。
すごいよね。格闘キャラが（っていうか町民からモンスターまで）一つの画面でボコボコに殴りあうんですよ。そもそも自分がどこにいるのかすら分からないくらいです。ところがこれが脳汁出まくる出まくる。みんな躍起になってボタン連打しまくるんです。慣れてくると恐ろしいことに人間どこにいるのか把握できるようになり、奇襲の掛け合いや攻撃のそらし合いができるようになります。
勿論、いじめのようなプレイもできます。めちゃくちゃ強いボスキャラの必殺技を使えば、バランスを一気に崩すような攻撃ができるわけですもの。ところが当然そればっかりやってると嫌われます、だから各々の尺度でレベル調整ができるのです。
つまり自分たちでルールを作って遊ぶために、自由度を高めたマルチプレイゲームとして完成したのです。
当時は、人間関係づくりにはもってこいのゲームでしたねえ。……友達無くした人も多いかもねえ。
さて、今回の移植版ですが、この自由度さらにパワーアップしています。
対戦キャラごとのレベル調整、ステータス調整はもちろんのこと、「オンラインである＝ホストがルールを決める」ということです。
もともと自由度１００％のガーヒー。そこで必殺技一つ一つに使える使えないのルールを決めたり、ダメージ補正やMP補正をかけることもできるようになりました。
プラス、使用プレイヤーがかなり細かいところ、たとえばステータスの数値なんかまで設定できるので、オレ強えーしたい人は極限までそうすればいいし、弱いキャラでテクニカルに勝つのを狙いたい人はこれも可能です。
これが画面の中に最高１２人。サターン版の倍。
いやいやいや、テレビ今ハイビジョンででっかいのが簡単に買える時代になったとはいえさ。
一画面にこの人数は多いよ！
でかいキャラばっかり全員で選ぶともうカオス状態。
これが笑っちゃうくらいど派手で面白い。何が起きているのかわけわからなくなって、思わずボタン連打レバガチャ状態になることもしばしば。豆みたいに小さいワンコもいるので、もうめちゃくちゃです。
そういうのはいやだ！って人のために、人間型しばりのルールももちろんできます。こうすると結構シビアな読み合い重視の格闘ゲームになります。
画質はHD化されているのでとってもきれいに。
そして、新規に追加された「アーケードモード」では、自分一人対２１人の敵というむちゃくちゃな画面になります。
倒せねえよ！と思いそうになりますが、意外と倒せます。この爽快感はぜひ味わっていただきたい。さすがにじじいじゃ倒せないかもしれませんが、倒せる人もいるかも知れない……。
今回のリニューアル版、なにげに一番楽しいのは、対戦時の調整だったりします。
ネット上の友達と、あるいはこれから会うであろう全く知らない世界中の人達と、あなたならどんなルールで戦闘する？
最強キャラを選んでレベルも最高にしちゃう？ 弱いキャラでうまく立ちまわる？
ガチで戦う？ わいわい楽しむ？
全てあなた次第。最新の技術で甦った「ルールを作るゲーム」で遊んでみてくださいな。
ちなみに価格は８００マイクロソフトポイント。クレジットカードでも買えますが、アマゾンで買うとちょっとお値段オトクです。
（たまごまご）
