――以前の作品やワンマンライブでも音源とは異なり、オートチューン無しで歌われていましたが、自分の声をどのように感じていますか?

MEG:色んな人とコラボレートすると「声に色々とエフェクトを掛けたりするけど大丈夫?」と聞かれることもあるんですけど、声に加工が色々と掛かっているのは好きなんですよ。「嫌だ」と言う人もいるんだろうなと思うぐらいで、どんな加工を入れるのかは、曲に合っていればどのようにされてもいいです。

――よくある話ですけど、小さい時に初めて録音した自分の声を聞いて、想像と違ってショックを受けたり。

MEG:音読のテープとかをプレイバックされるのが、すごく嫌でしたね(笑)。その頃は他の友達に比べて声がガラガラだなと思っていて、それを聞かれるのが嫌だったんです。でも今考えると、しゃべり声がそれな訳だから、全員いつも聞いてるんだろうなと(笑)。「なんであんなに恥ずかしかったんだろう?」って、今は思いますね。

――中田さんの影響も少なからずあってオートチューンを掛けられる方も増え、オートチューンを掛けたら没個性で全部一緒のように思われているリスナーの方もいるようですが、実際は全然違って。MEGさんの声ってすごく特徴があって、オートチューンとの相性がいいんですよね。

MEG:ありがとうございます。そう言えば、それ的な専門的なことを中田くんも言ってた気が…難しい記号で言ってたからよく覚えてないんですけど、数値が全部なんちゃらだから、エフェクトが掛けやすい声だって。

――商品内容を意識した歌い方ではあると思うんですけど、CMでオートチューン無しのMEGさんの歌声を聴いた時は面白かったですね。

MEG:「新しいカロリ。はね♪」というヤツですね(笑)。もしかしたらCDをよく聴いてくれている人も加工が掛かっていないと、私って分からない人もいるかもしれない。でも、小学校の時は本当に嫌でしたよ。まさか自分が声を使った仕事をするなんて思ってなかったですもん。

――個人的に、MEGさんの楽曲イメージってデジタルでポップな世界観なんですけど、過去の作品だと「BEAM」の「IN YOUR EYES」や、「STEP」の「NATALIE」のように人間味のあるアナログで切ない感情の曲を歌わせると、すごく似合う声質だなと。

MEG:まぁ!ありがとうございます(笑)。

――今回だと「Star」と「Beautiful」を聴いていて感じました。

MEG:あぁー、この2曲はゆったりめですもんね。

――毎回MEGさんが歌詞を書かれていますが、今回英語の歌詞が多いのは何故ですか?

MEG:今までは「日本語にしないと聴きにくいな」と思って、できるだけ日本語にしていたんです。今回は最初の日に「Beautiful」と「Telephone」という曲を録ったんですけど、それがもう歌詞もすごくいいのが書けたなと思うし、ボーカルもすごくいいのが録れたなと思ったので。この2曲が録れた段階で、あとはもう本当に自由にアルバム全体を通して聴いてもらえればいいから、となって。やっぱり響きを優先的にはめていくと、日本語の方がはまりが悪かったりして、自然にやっていると結果的に英語が多くなったという。

――「Beautiful」はアルバムタイトルにもなっていますが、最初にその曲が出来た時点で、なんとなくアルバム全体のイメージも固まってきた感じですか?

MEG:いいものができそうな予感はありましたし、その話はしていましたね。なんとなく、ぼんやり「Beautiful」はこのアルバム全体のざっくりとしたテーマになりそうだなというのはあって。タイトルは最後に、全部できあがってからもう1回考えようと思っていたんですけど、できあがってみてもやっぱりそのイメージだったという。

――今回の曲タイトルはどれも1ワードで、イメージしやすい象徴的な言葉を選ばれているように思いますが、音を聴いてから歌詞を書いて、最後にタイトルを決めるという流れは変わらず?

MEG:そうですね。やっぱりタイトルを見た時に曲が浮かんだ方がいいなというのはあって、あまり関係無いものとかじゃない場合が多いですね。