MEG:中田くんとはクラブでは前から一緒にステージ踏んだりしていたし、ツアーとその前のファーストワンマンも観に来てくれていて。それを踏まえた上で「どんなものがいいか?」というのが多分、頭の中にあったんだと思うんです。彼は「クラブでやるのもいいけど、コンサートとかライブとか、そういう風なことができるアーティストになって欲しいんだよね」と言っていて。

私もやっぱりライブがすごく大事だし、このCDで聴いてくれたイメージを更に膨らませるものになったらいいなと思っていたから。その辺がやっぱり声に加工が掛かっていると、ライブはどうしても生で歌うから、CDで聴いている感じと雰囲気が違うものになったりするので。DVDになった時にちょっと違和感があったりもあるし。その辺が気になっていたから、「同じ方向に向かえるね」という感じで。

――中田さんに対して、サウンド的にリクエストしたことはありましたか?

MEG:サウンドに関しては、私は分からないので全く無いです。ボーカルに関して、ちょっと「人間っぽさが入るといいなぁー」と言うだけですね。でも、最初に「どんな感じにしよう?」って沖縄で話した時は、「“こういう感じでしょ”と思われるものを、また作る意味は無いね」というのはお互いにあって。「違うことがしたいね」という中で、アルバムを聴いてもジャンルに縛られないものがやりたいというのはあって。デモ曲が上がってきた段階で、そういう色々な要素を感じさせられるような音が含まれていたし。

今回「ミックスに時間が欲しい」と言われたのも、出来上がった時に「あっ、意味が分かった」と思ったんです。 今まではデモ曲があって、それに私が歌を乗せて。上がってきた時に、すごくゆったりしていたイメージのものがハードになっていることとか、その逆もあったり、想像がつかないこともあったんです。でも今回は、デモで上がってきた段階とほぼ変わらないけど、細かい所がすごく綺麗に整理されているイメージを受けたので。だから多分「こういう風なものにしたい」というのが、取り掛かる前にある程度頭の中にあったからこそ、「FREAK」は同じディスクに入れたくなかったのかなと思いました。

――曲順はどのように決まったんですか?

MEG:今までは、もう行ったらできていて、コピーを渡されたことが多かったんですけど(笑)、今回は結構、共作感が強かったというか。まず「どういうアルバムにする?」という話ができたのもあるし、曲を録り終わった後に仮ミックスを聴いて、曲順も相談してくれたり、「もっとどんな風にしたいとかある?」と聞いてくれたので、声の加工を全部には掛けていないんですけど、「この曲はもうちょっとボーカルをなめらかに角を丸くしたい」とか、もっと細かい箇所伝えることができたし。

今までは、言っても「ふーん」という感じで採り入れられていないこととかがいっぱいあったので、そのくらいに思ってたんです(笑)。多分その日の夜中に直したんだと思うんですけど、次の日にアルバムの完成試聴会で聴いたらそこが全部直っていたんですよ。その辺も、ある意味驚いてばかりでした(笑)。

あとは、私が乗せる歌詞に関して「歌でのデモを作った方がいいんじゃないか?」というジャッジも新しかったし。ボーカルブースに入って歌を録っている時に、「ここの言葉はこうじゃなくて、もうちょっとこういう響きは無い?」って、録りながら直す箇所も結構あったんですよ。今までだと、あの人は私の歌詞に無関心なので(笑)、何も言われたことが無かったんですけど、今回は結構、歌詞に対してのディスカッションもあったし、相談しながら作るような制作方法でしたね。それはすごく感じます。