パンデミック対策の実務者向けマニュアルを提供している時に、もっとも気になるのは「集まって仕事をする」というスタイル。この点を解消すれば、無用な感染は避けられるとも考えられます。

企業の人的リスクマネジメント対策を指導する中で、不景気を乗り切るためには「組織的な結束」が大切だとお話しする機会が多いのですが、今回は、同じリスクマネジメントでも新型インフルエンザ対策としての組織のあり方を書いておきたいと思います。

新型インフルエンザは、名称こそインフルエンザですが、一度発生すれば、誰も抗体を持たない病気ですから、歴史の教科書で習った中世の「ペスト」みたいな感じで伝染し、患者を急増させる恐ろしい病気とも言えます。逆に、飛沫感染や飛沫咳感染で伝染しますから、感染者の近くに寄らなければ、また感染者と一緒に閉鎖空間にいなければ、感染するリスクは下げられるとも言えます。

ここでの問題は「潜伏期間」で、一般的には1日から3日と言われています。
感染者になってから発症するまで、抵抗力の強い人であればそれなりに時間がかかるということですので、その間に感染者を増やすことになるというのが、電車やオフィス内での感染拡大の重大な背景(リスク)となります。

そこで、新型インフルエンザ対策を考えるときに必要となる「事業継続性」ですが、ポイントは「本当に社内でやらなければならない仕事は何か?」ということをきちんと洗い出すことだとお伝えしています。

当社の実務者向けのマニュアルの中でも、特に注意頂きたいこととして記載しているのが、このポイントですが、パンデミック時の公共の交通機関での通勤はかなりのリスクになります。社用車があるとか自家用車の通勤を認めている会社には、電車通勤の禁止や時差出社、またやむを得ず移動に公共の交通機関を活用する場合には、N95マスクの徹底をお話ししています。


続きはこちら