日頃感じるのは数字に弱い人は意外に多いものです。
調達・購買業務に携わる人も例外ではありません。

先日、私の著書出版とほぼ同時に坂口さんの三冊目の新書
「会社の電気はいちいち消すな」(光文社新書)が発刊されました。
いつものことですが、今回も非常に興味深い内容になっています。
「牛丼」→「営業」→「コスト削減秘策」という流れなのですが、
この本で最も共感を得たのは所謂「管理会計」の世界です。

固定費、変動費、限界利益、損益分岐点、予算管理の仕組み等々、
言ってみれば原価管理や管理会計の基礎中の基礎なのですが、
それをホテルの事例等を取り上げながら分かりやすく説明しています。

何故これが画期的なのか、と言いますと、
実は多くのバイヤーを含むビジネスマンにとって
原価管理や管理会計は弱点になっているからです。
研修や日々のコンサルティング現場で
限界利益とか損益分岐点という話をしても
言葉自体しらないバイヤーさんもいます。
これはバイヤーだけの話ではないでしょう。
エンジニアなどは余計わからないと思います。
一方で購買業務を専門にするコンサルタントも数少ないのですが、
もっと感じるのは原価管理、原価企画を専門とする
コンサルタントの少なさです。
私自身、他に適任者がいないということで
多方面から声がかかることも多くあります。

これらの点から日頃から私自身
「バイヤー(だけでなく全てのビジネスマン)は
管理会計の知識をもっと習得するべき」と考えていました。
坂口さんの「会社の電気はいちいち消すな」では
「コスト削減秘策」だけではなく、
このような考え方を取り上げており、
正に「抑えどころを抑えているな」という印象です。

管理会計に関わらず、
日頃感じるのは数字に弱い人は意外に多いものです。
私は幸いにも、最初の社会人生活で
原価管理部というところに配属され、
まず一番最初に上司に指示されたのが「12桁の電卓を買う」ことでした。

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