日本企業におけるBCM対策は、予防措置の段階で止まっている企業が多く、その先に必要な「復旧計画」の策定まで進んでいないケースが多く見られます。

以前のコラムでは、パンデミック対策のチェックリストを公開してみましたが、そのチェックリストを実務レベルに落とし込む作業の中で、気になることがありました。

それは、最終形態として、何が形になるのか。

そこで、社員は何を頼りにパンデミック発生時に「会社」と「健康」と「自分自身の雇用」を守るのかというテーマに対応するために「新型インフルエンザ対応に関する休業規程」のサンプルを作成してみました。


http://www.enna.co.jp/BCM/pandemic.html
※パンデミック対策のチェックリスト同様に無料公開しています。

この休業規程のサンプルを作成するにあたり、参考とした情報は以下の通りです。

?労働基準法(就業規則の整備について)
?感染症予防法(出勤停止の判断及びO157に関する政令他)
?育児・介護休業法(休業取得及び賃金・社会保険の扱い)

特に、パンデミック対策で難しい問題は

?災害発生(パンデミック)と復旧作業が同時進行になる
?休業は会社が定めるが、その場合の給与をどうするか
?休業中の社員は勤務できないが、事業継続上、急な在宅勤務を必要とする場合がある

これらを解決するためには、大きな範囲でのルールと、柔軟な対応が求められます。もちろん在宅勤務を行うための様々な設備投資と社員教育が必要になりますので早めの対策やリスクの洗い出しが必要になります。

O157が発生した際の政令(現厚生労働省 基発第551号)を見る限り、感染症によって休業を行った社員に対する不利益を禁止していますので、人事担当者の方やパンデミック対策の事務局になっている方には、一度目を通して頂きたい政令です。


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