スタンフォード大の佐々木麟太郎(C)ゲッティ=共同

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「2025年のNPBのドラフトでは福岡ソフトバンクが指名している。(それだけに)マーリンズの指名は驚きだ。(ドラフト会議の前に開催される候補選手の合同トライアウトの)コンバインで本塁打を量産、彼にパワーがあるのは間違いない。ただ、走力はそこまでないし、マーリンズは長打を期待しての指名なんだろう」

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 日本時間13日の米ドラフトでマーリンズがスタンフォード大の佐々木麟太郎(21)を8巡目指名(全体235位)したことを受け、MLBの専門チャンネル「MLBネットワーク」のコメンテーターが話した内容だ。

 8巡目の評価が高いとか低いとかいう問題ではない。メジャー関係者たちの間では、佐々木がMLBのドラフトで指名されたこと自体が「驚き」ととらえられているようなのだ。

 一塁手としてドラフト8巡目で指名され、メジャーに定着した選手は過去に何人かいる。

 ポール・ゴールドシュミット(38=ヤンキース)、ライアン・オハーン(32=パイレーツ)、トレイ・マンシーニ(34=現エンゼルス傘下)らがそうだ。3人のうち、一塁しか守っていないのはゴールドシュミットひとり。ただ、ゴールドシュミットはゴールドグラブ賞を4回獲得している守備の名手。何より13年に本塁打王と打点王を獲得、昨季までメジャー通算372本塁打と、パワーヒッターとして申し分ない実績の持ち主だ。

 オハーンとマンシーニの2人は、ともにメジャーで一塁だけでなく外野守備にも就いている。マンシーニはメジャー7年間で129本塁打、オハーンはメジャー8年間で84本。マンシーニが強肩なら、オハーンは走力がそこそこあるだけに、打撃を生かすために一塁だけでなく右翼や左翼も守っている。2人は一塁手ながら“つぶしの利く”選手なのだ。

 そこへいくと佐々木はどうか。

 5月に終了したレギュラーシーズンの成績は54試合で打率.262、16本塁打、47打点。スタンフォード大が所属するNCAAの個人成績を見ると、本塁打のトップは34本、20本以上は48人もいて、佐々木の16本は100位タイ。打率は4割超えが13人、3割5分超えは178人いて、佐々木は圏外だった。

「走力にいたってはマイナス評価です」

 ドラフト前のコンバインでは、飛距離140メートル、最高打球速度186キロの特大弾を放った。MLBネットワークのコメンテーターの言うように「パワーがある」のは間違いない。

 だが、レギュラーシーズンで放った本塁打数はリーグの中で突出した数字ではないし、安打にする確率も高いとはいえない。つまり当たればデカいが、ボールを正確にとらえる確率は高くないことになる。

「動きが鈍いうえ、一塁守備もうまいとは言えない。走力にいたってはマイナス評価です」

 と、ア・リーグのスカウトはこう続ける。

「花巻東高(岩手)時代は113キロ。体を絞る必要があるのに、スタンフォード大のプロフィルによれば現在は約122.5キロ。本人には体重を落とさなきゃいけないという自覚があるそうですけど、食欲旺盛で、食べ出したら箸が止まらないとも聞きました。ただでさえ米国の食事は高カロリーですからね。動けず、走れず、一塁しか守れないとなると、打つ方でよほど突出した数字を残す必要がありますけど、リーグ戦の成績を見る限り、いまひとつ。もともと内角の速球を苦にするタイプでしたけど、相変わらず差し込まれてしまうようです」

 米国のドラフト候補には、ケタ違いのパワーを持つ打者が星の数ほどいる。佐々木はNCAAの中ですら、突出した数字を残していないうえ、守れるのは一塁だけ。動きは鈍く、走力も乏しいだけに、他のポジションに就くわけにもいかない。

 他でもない「MLBネットワーク」のコメンテーターが、ドラフトで指名されたこと自体、驚いているのだ。それが米球界の佐々木に対する評価であり、受け止め方とみるべきではないか。

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 佐々木を指名したマーリンズは「メジャー屈指の不人気球団」と言われているが、いったいどんな球団なのか。甚大なファン離れを招いた事件とは。●関連記事 【もっと読む】佐々木麟太郎を指名…“銭ゲバ”マーリンズの黒歴史 では、それらについて詳しく報じている。