【ドバイWC】世界最強ダートホース・フォーエバーヤング 砂漠の国で、世界最強を証明するか

フォーエバーヤング 写真:AP/アフロ
世界のホースマンたちは3月の終わりのこの季節、その眼差しをドバイへ向ける――今年もドバイワールドCデーの開催が間もなくに迫ってきた。
アラブ首長国連邦を構成する首長国、ドバイのマクトゥーム家が1996年に世界最高賞金額(当時)のレース、ドバイWCを創設して以来、砂漠の地で行われる世界最強馬決定戦が世界のホースマンたちの間で定着。毎年のように各国から精鋭が集まっては頂点を争ってきた。
日本馬も初年度の1996年から毎年のように参加して、2001年にステイゴールドがドバイシーマクラシックを制したのを皮切りに勝ち星を積み重ね、ドバイWCでは2011年にヴィクトワールピサが、そして2023年にはウシュバテソーロがそれぞれ勝利。世界にその名を轟かせたのは記憶に新しい。
そんなドバイワールドCデーだが、今年は国際情勢の影響で日本からの遠征が難しく、断念した馬も多数いる。それでもドバイでの勝利へ意欲を燃やす馬が6頭エントリー。その中でも今回はGⅠへ出走する4頭を紹介したい。
まずは日本時間28日の23時10分にスタート予定の芝1200mで行われるアルクオーツスプリントから。
ほぼ同じ時期に高松宮記念が開催されることもあり日本馬の出走は少なかったが、昨年は3頭の日本馬が出走し、ウインカーネリアンが2着に激走。
秋にはスプリンターズSを制してGⅠホースの仲間入りを果たしただけにここでの好走が今後の競走生活に大きな影響を与えることになるだろう。
そんなスプリント最速を決める一戦にエントリーしたのが、2年前のスプリンターズSの覇者ルガルだ。
500キロを優に超える大きな馬体から繰り出すスピードは現役屈指。
2年前のスプリンターズSを制して以来、強豪相手に苦戦を強いられることはあったが、昨年暮れの京阪杯で2着に入ったことで復活の兆しを見せると、続く阪神Cでナムラクレアを捻じ伏せて1年3ヵ月ぶりの勝ち星をマーク。
6歳になった今もオーシャンSで僅差の3着に入るなど、そのスピードには衰えが見られない。
ライバルとなりそうなのがフランスのラザット。モーリスドゲスト賞、クイーンエリザベス2世ジュビリーSなどのスプリントGⅠを2勝の実績はメンバーでも最上位。
これまでに重賞3勝を記録したルガルが欧州屈指のスプリンターを相手にどんなレースを見せるか注目したい。
続いて、ダートのスプリント王決定戦ともいえるドバイゴールデンシャヒーン。日本時間28日の23時55分に発走予定のこのレースにはアメリカンステージが出走を予定している。
2歳9月にデビューして、この年の暮れにはすでに6戦3勝というキャリアを積んだハードワーカーは3歳春にドバイへ初遠征。
前哨戦で2着に入った勢いのまま挑んだ前年のゴールデンシャヒーンでも6着に入ると、秋には同厩のフォーエバーヤングとともにアメリカへ遠征。BCスプリントでは4着に入るという大健闘を収めた。
今年はサウジアラビアへの遠征でリヤドダートスプリントに挑み4着に入ってから臨む。
昨年のBCスプリントを制したアメリカのスピードキング・ベントルナートと前年のこのレースのチャンピオン・ダークサフロンがエントリー。ともにハナを主張してくるタイプの逃げ馬なので、ハイペースになることは必至だろう。
そんな激流を海外で揉まれてきたアメリカンステージがどうこなすか。そして2頭にリベンジを果たすだろうか。
日付が変わり、日本時間29日の0時35分にスタート予定のドバイターフ。昨年はソウルラッシュが香港のスターホース・ロマンチックウォリアーを負かすという大金星を挙げたが、今年はガイアフォースが悲願のGⅠ制覇を狙う。
3歳時に真っ白な馬体を光らせながらセントライト記念で重賞初制覇を飾るも、その後は掲示板こそ外さないもののなかなか勝ち切れないレースが続き、気が付けば2年以上勝ち星から遠ざかっていた。
そんなガイアフォースが目覚めたのが昨春。安田記念で2着に入ると、秋には富士Sで番手から抜け出してジャンタルマンタルらを凌いで久々の勝利。
返す刀で挑んだマイルCSではジャンタルマンタルにリベンジされる形になったが、それでも2着に食い込んだ。
明け7歳として迎える緒戦、ライバルとなりそうなのはイギリスのオンブズマン。プリンスオブウェールズS、インターナショナルSとイギリスの主要中距離GⅠを2勝しているように強烈な末脚が武器。
確たる逃げ馬不在の一戦なので、大外枠に入ったガイアフォースがどこで仕掛けていくかがカギになるだろう。
そして最後は日本時間29日の1時45分に発走予定のドバイワールドC。ここには世界最強ダートホース、サウジC連覇を果たしたフォーエバーヤングが昨年のリベンジを目指す。
この馬の強さはもはや説明不要かもしれない。デビュー早々に川崎の全日本2歳優駿を制すると、3歳からはケンタッキーダービーを目指して世界へ遠征。
サウジダービー、UAEダービーを連勝し、ケンタッキーダービーは3着に敗れるも、4歳になった昨年はサウジCを制覇。
秋には日本馬として史上初となるBCクラシックを制するなど、その走りは世界最強馬と言っても差し支えがないほどだ。
5歳になった今年はサウジCで史上初の連覇を達成。万全を期して、昨年3着だったこのレースでのリベンジにやってきた。
ライバルとなりうるのが昨年のこのレース勝ち馬ヒットショーと上がり馬マグニチュード。
アメリカ勢のこの2頭は前哨戦を制して勢いに乗った状態での参戦。アメリカ最大のGⅠであるBCクラシックを制したフォーエバーヤングへのリベンジに人一倍燃えているに違いないだろう。
他にも地元ドバイのインペリアルエンペラー、イギリスの新鋭・メイダーンが妥当フォーエバーヤングを目指してエントリーしているが......それら世界の強豪をフォーエバーヤングがどうねじ伏せるか注目したい。
以上、見どころにあふれた4レースがまもなく開催される。世界最強馬となったフォーエバーヤングを筆頭とした日本馬たちは果たして、どんなレースを見せてくれるだろうか。
■文/福嶌弘
