大阪・関西万博で注目 キャラメル香るオランダ伝統菓子・ストロープワッフル 魅力を探る
大阪・関西万博のオランダ館で人気を集めているお菓子「ストロープワッフル」。薄いワッフル生地の間にキャラメルシロップを挟んだ甘いお菓子で、日本でもじわじわと注目を集めています。神戸市灘区でストロープワッフルを手作りする「ワーフルハウス」のマルコ・ボスさんに、その歴史や魅力を伺いました。
ストロープワッフル発祥の地は、オランダ南部の都市、ゴーダ。18世紀後半、パン職人のヘラルト・カムフイセンが、パンやクッキーの残りくずにシロップを混ぜて焼いたのが始まりとされています。

本場オランダでは、スーパーやパン屋でも手軽に買えますが、そのサイズは日本で見かけるものとほぼ同じ直径8センチほど。一方、青空市場の屋台などでは、直径15センチほどの大判サイズが定番で、焼きたてを頬張るのが現地ならではの楽しみ方です。味はシナモンが主流で、素朴で香り高い一枚が親しまれています。
日本ではさらに進化を遂げ、チョコレートや抹茶など多彩なフレーバーも登場。現地のシンプルな魅力を大切にしながら、日本ならではのアレンジも楽しまれています。

作り方を見せてもらうと、職人技が光ります。専用のワッフルアイロンで薄く焼いた生地を、熱いうちに素早くスライス。そこに温めたキャラメルシロップを均一に塗り、再び合わせます。シロップの温度や粘度を見極めながら仕上げるため、経験がものを言う作業です。


マルコさんに聞いた、ストロープワッフルの食べ方のおすすめは、温かいコーヒーや紅茶のカップにのせること。湯気でじんわり温まり、中のキャラメルがとろけて香り立ちます。数秒レンジで温めてもよし、砕いてアイスクリームに添えてもおいしくいただけます。

大阪・関西万博のオランダ館では、1日に1500枚以上の焼き立てが売れることもあるそう。ここでワッフルに出会い、神戸まで足を運ぶ人も少なくないといいます。「質の良い材料で丁寧に作ることが、日本の方々に評価していただけた」とマルコさんは語ります。

節約の知恵から生まれた庶民のお菓子、ストロープワッフル。時を超え、国境を越え、いま、多くの人に愛される存在となっています。コーヒータイムをちょっと特別にしてくれるオランダ伝統の味。まだ口にしたことがないという方は、この機会にぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
(取材・文=森本真由)



