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NNNが衆議院選挙の終盤情勢を分析したところ、自民党は序盤より苦戦の選挙区が増え、単独過半数を割り込む可能性が高まっています。公明党も伸び悩んでいて、与党で過半数を維持できるかはギリギリの情勢です。終盤情勢を各党がどう受け止めているのか、日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者が解説します。

鈴江奈々キャスター
「25日も3つの疑問を聞いていきます」

1.与党過半数“ギリギリ” なぜ?
2.立憲議席増…野党でも「明暗」
3.“2000万問題” 影響は?

「まず1つめですが、与党での過半数“ギリギリ”の情勢というのは、与党にとって厳しさが強まっているということなんでしょうか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「序盤の情勢と終盤の情勢を比較すると、与党への逆風は強まっていると言えます。理由についてある自民党の候補は、『裏金問題での有権者の怒りはおさまるどころか強まっている』と。自民党幹部は『序盤接戦だった選挙区でかなり逆転をされている』と苦しさを分析しています。また、別の自民党幹部は『裏金を打ち消す新たな争点を打ち出せていないのが痛い』と話しています。もし自民公明で過半数割れとなると、2009年の政権交代が起きた衆院選以来となります」

鈴江キャスター
「対する野党ですが2つめの疑問。立憲民主党は議席を増しますが、野党でも明暗がわかれているんですね」

平本記者
「そうなんです。まず立憲民主党ですが、議席を上積みする勢いとのことにある立憲幹部は、『選挙戦序盤より追い風が強くなっている。あと2日でさらにトレンドは強まる』と手応えを感じています。ただ、別の立憲幹部は『目標だった政権交代の実現は難しそうだ。選挙後の戦略が大事になる』とも話しています」

「他の野党を見てみると明暗がわかれています。維新は議席維持が難しい『苦戦』を強いられている一方で、国民民主党は議席を上積みし『躍進』する勢いで、ある国民民主党幹部は『選挙後は、国民民主党が政局のカギを握ることになる』と述べています」

鈴江キャスター
「そして、3つめの疑問“2000万問題”。自民党が、非公認候補者が代表を務める政党支部などにも、2000万円を配っていたという問題ですが、これは情勢分析に影響しているのでしょうか?」

平本記者
「調査は火曜日(22日)から木曜日(24日)までのもので影響は限定的と言えます。また、新しい動きが出ていまして、いわゆる裏金議員の非公認候補者の中で2000万円を党本部に対して『誤解を招く』として返還する動きが出ています。別の非公認候補の1人は『勝手に振り込まれた。党本部に返還を申し出たが断られた』などと実態を説明しています」

「自民党執行部自体は『非公認候補、いわゆる裏金議員へのお金ではない』『選挙に使うことはない』と正当性を主張する一方で、野党側は『裏公認料だ』『裏金議員へのステルス支援だ』と批判を強めています。ある自民党幹部は『正しいお金の支出であっても、誤解をうむようなやり方が問題だった』と述べています」

鈴江キャスター
「となると、やはり終盤にかけて2000万円問題は与党にとっては逆風になりそうでしょうか?」

平本記者
「与野党を取材していると、そうした見方が大勢です。ある自民党幹部は『投開票日にむけてさらに逆風は強まるだろう』と。いわゆる裏金議員の1人は『選挙戦で必死に不記載問題の誤解を解こうと説明してきたのに新たな問題が浮上して、これまでの努力が水の泡だ』と嘆いています。一方、ある自民党幹部は『党内の危機感が高まって、引き締まる部分もある』と。この問題をプラス要素に転じさせたいとも話しています。また、ある野党の党首は『投票率が上がらなければ組織力が強い、与党の地力の強さが出る』と警戒しています」

「今回の調査では、一定数の回答者が態度を決めておらず情勢は変化する可能性もあり、選挙戦最後の最後までギリギリの攻防が続くことになりそうです」