FBS福岡放送

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衆議院選挙は27日が投開票、2日後に迫りました。NNNは読売新聞と世論調査を行い、独自取材も加えて終盤情勢を分析しました。その結果、自民・公明の与党で過半数を維持できるかギリギリの情勢となっています。福岡・佐賀全ての選挙区について、終盤情勢を見ていきます。

福岡1区

福岡市東区の一部と博多区の福岡1区です。届け出順に、自民前職の井上貴博さん(62)、共産新人の綿貫英彦さん(58)、社民新人の村田峻一さん(32)、参政新人の緒方貴恵さん(40)、維新前職の山本剛正さん(52)、立憲新人の丸尾圭祐さん(42)の6人が立候補しています。

序盤情勢では自民の井上さんが優勢でしたが、立憲の丸尾さんが追い上げ、競り合う展開になっています。山本さん、緒方さん、綿貫さん、村田さんは支持層以外に浸透せず、厳しい戦いです。

福岡2区

九州一の都市型選挙区、福岡2区です。届け出順に、参政新人の黒石裕子さん(32)、立憲前職の稲富修二さん(54)、自民前職の鬼木誠さん(52)、無所属新人の沖園理恵さん(50)、共産新人の松尾律子さん(52)、維新新人の本司敬宏さん(39)の6人が立候補しています。

前職同士5度目のライバル対決となる、立憲の稲富さんと自民の鬼木さんが互角の戦いです。無党派層からの支持は稲富さんが4割近くに浸透し、鬼木さんは1割半ばとなっています。

23日、稲富さんのもとには、立憲民主党の野田代表が応援に入りました。

■稲富氏
「私はこの選挙、やればやるほど接近しているのを感じています。非常に接近している。」

■野田代表
「小選挙区では勝ち切れなかったので、今回はぜひ悲願の小選挙区で勝利してほしい。」

一方、鬼木さんのもとには24日、石破総理大臣の妻、佳子さんが駆けつけました。

■鬼木氏
「私がこの議席を守るには、皆さんの力をお借りするしかありません。」

■佳子さん
「どうぞ皆様方、いま大変、競っているということ。私はきょうここで皆様方に本当にお願いをさせていただきたいと思います。」

本司さん、黒石さん、松尾さん、沖園さんは厳しい戦いです。

福岡3区

福岡市城南区の一部、早良区などの福岡3区です。届け出順に、参政新人の重松雄子さん(65)、れいわ新人の奥田芙美代さん(47)、維新新人の瀬尾英昇司さん(49)、共産新人の山口湧人さん(35)、立憲新人の仁戸田元気さん(45)、自民前職の古賀篤さん(52)の6人が立候補しています。

自民の前職、古賀さんと立憲の新人、仁戸田さんが接戦を演じています。

■古賀氏
「(裏金問題に)関わっていない議員、私も含めて自民党の議員もその責任の一端を担い、自民党の姿勢とこれからの取り組み、ご理解いただきご支援いただけるかどうか、そのことが問われている選挙だと思っています。」

■仁戸田氏
「今回の選挙の争点は、政治とカネの問題に私は尽きると思います。国民の皆さんの実質賃金が上がっていない、その根底に私は政治とカネの問題があると思っています。」

瀬尾さん、奥田さん、重松さん、山口さんは支持層を一定程度固めていますが、それ以外への浸透が課題です。

福岡4区

福岡市東区の一部、宗像市、古賀市などの福岡4区です。届け出順に、自民前職の宮内秀樹さん(62)、無所属新人の吉松源昭さん(56)、維新前職の阿部弘樹さん(62)、参政新人の行平佳弘さん(38)、国民新人の許斐亮太郎さん(50)、社民新人の宗晶子さん(53)の6人が立候補しています。

自民の宮内さんが一歩リードしています。あとに続く許斐さんと吉松さんが追い上げを図ります。阿部さん、宗さん、行平さんは支持層以外への浸透が課題です。

福岡5区

福岡市南区の一部、筑紫野市などの福岡5区です。届け出順に、参政新人の岡部吉高さん(42)、維新新人の松尾嘉三さん(56)、立憲前職の堤かなめさん(64)、無所属新人のタコスキッドさん(48)、自民新人の栗原渉さん(59)の5人が立候補しています。

自民の新人、栗原さんと立憲の前職、堤さんが激しく競り合っています。栗原さんは自民支持層から7割、公明支持層からも6割の支持を得ています。一方、堤さんは立憲に加え、ほかの野党の支持層も一定程度取り込んでいます。タコスキッドさん、松尾さん、岡部さんは厳しい戦いです。

福岡6区

久留米市、小郡市などの福岡6区です。届け出順に、自民前職の鳩山二郎さん(45)、国民新人の近藤雅彦さん(49)、参政新人の古川恭司さん(58)、維新新人の福成健太さん(42)、共産新人の河野一弘さん(52)の5人が立候補しています。

自民の鳩山さんが先行する展開です。近藤さんが後を追いかけます。福成さん、河野さん、古川さんは、伸び悩んでいます。

福岡7区

大牟田市、柳川市、八女市などの福岡7区です。届け出順に、共産新人の平島史朗さん(65)、立憲新人の亀田晃尚さん(53)、自民前職の藤丸敏さん(64)の3人が立候補しています。

序盤情勢でリードしていた自民の前職、藤丸さんを立憲の新人、亀田さんが激しく追い上げ、接戦の様相を呈しています。藤丸さんは自民支持層をほぼ固め、公明支持層からも6割を超える支持を得ています。一方の亀田さんは立憲支持層のほか、ほかの野党の支持層にも浸透しています。平島さんは厳しい戦いです。

福岡8区

直方市、飯塚市などの福岡8区です。届け出順に、自民前職の麻生太郎さん(84)、無所属新人の森田俊文さん(61)、共産新人の河野祥子さん(44)の3人が立候補しています。

自民の重鎮、麻生さんが盤石の戦いで、幅広い世代に浸透しています。森田さんと河野さんは懸命に支持拡大を図ります。

福岡9区

北九州市若松区、八幡東区などの福岡9区です。届け出順に、無所属前職の緒方林太郎さん(51)、無所属新人の三原朝利さん(46)、参政新人の山本直緒美さん(60)、共産新人の山田博敏さん(62)の4人が立候補しています。

無所属の前職、緒方さんが、幅広く支持を受け優勢です。自民・公明支持層の5割ほどが支持する三原さんが後を追っています。山田さん、山本さんは伸び悩んでいます。

福岡10区

北九州市門司区、小倉北区、小倉南区の福岡10区です。届け出順に、立憲前職の城井崇さん(51)、自民新人の吉村悠さん(39)、無所属新人の大石仁人さん(39)、共産新人の一ノ瀬小夜子さん(75)、維新新人の福本尭さん(42)の5人が立候補しています。

立憲の前職、城井さんと自民の新人、吉村さんが激しく競り合っています。城井さんは野党各党と無党派層から幅広く支持を集めています。吉村さんは公明支持層の6割から支持を得ていますが、自民支持層からは5割半ばです。大石さんは伸び悩み、一ノ瀬さん、福本さんは厳しい戦いです。

福岡11区

田川市、行橋市などの福岡11区です。届け出順に、社民新人の志岐玲子さん(71)、自民前職の武田良太さん(56)、維新新人の村上智信さん(55)の3人が立候補しています。

維新の新人、村上さんと自民のベテラン、武田さんが互いに譲らぬ展開となっています。24日、村上さんのもとに応援に入った日本維新の会の藤田幹事長は、自民党のいわゆる“裏金問題”を厳しく批判しました。

■藤田幹事長
「この西日本で一番の大接戦。真っ当なまっすぐな政治を、この村上智信に皆さんのお力でさせていただきたい。」

■村上氏
「政治のあり方を根本的に改めるべきだ。私は日本維新の会の一員として、クリーンな政治を実現してまいります。」

一方、武田さんは精力的に地元をまわり、支持固めに奔走しています。

■武田氏
「いまここで野党政権になれば、また日本の経済が失速し、地域振興も失速するわけであります。」
「残りわずかとなりましたが、精いっぱい頑張ってまいりますので、ご友人などのお声かけを最後までよろしくお願いします。頑張ります。」

志岐さんは支持拡大を図ります。

佐賀1区

福岡と佐賀で唯一、前職どうしの一騎打ちとなった佐賀1区です。届け出順に、自民前職の岩田和親さん(51)、立憲前職の原口一博さん(65)の2人が立候補しています。

立憲の原口さんが先行し、自民の岩田さんが追う展開となっています。原口さんは立憲・共産支持層のほぼ固めているほか、ほかの野党の支持層や無党派層から広く支持を集めています。岩田さんは自民支持層のほぼ8割、公明支持層のおよそ7割を固めています。

佐賀2区

最後に佐賀2区です。届け出順に、自民前職の古川康さん(66)、立憲前職の大串博志さん(59)、共産新人の井上祐輔さん(38)、参政新人の下吹越優也さん(31)の4人が立候補しています。

党の代表代行を務める立憲の大串さんが一歩抜け出す勢いです。立憲支持層をほぼ固め、ほかの野党の支持層にも浸透しているほか、自民・公明の支持層にも一定程度食い込んでいます。自民の古川さんが後を追っています。下吹越さん、井上さんは支持が広がらず苦しい展開です。

今回の調査ではいずれの選挙区でも一定数の回答者が投票先を明らかにしなかったため、今後、情勢が変化する可能性もあります。