カマラ・ハリス氏

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26日になれば米国大統領選挙までちょうど残り10日となるが、現況は誰も勝負を断言できない「歴代級超接戦様相」と要約することができる。各州の人口比例に割り当てられた計538人の選挙人団のうち過半270人を先行獲得すれば勝つ米大統領選挙。勝負を決定すると予想される7大スイングステート(激戦州)では民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と共和党候補のドナルド・トランプ前大統領が優劣をつけるのが難しい血みどろの接戦を繰り広げている。

◇トランプ氏、激戦州でリードするものの「紙一重」の差

23日(現地時間)、米選挙分析サイト「リアルクリアポリティクス(Real Clear Politics、RCP)」が各種世論調査の支持率を総合して出した7大激戦州別の平均値によると、トランプ氏がすべてでリードしているが誤差範囲内なので優位を大言壮語するのは難しい。ハリス氏との格差は▽ペンシルベニア(0.5%ポイント)▽ミシガン(0.2%ポイント)▽ウィスコンシン(0.1%ポイント)▽ノースカロライナ(0.5%ポイント)▽アリゾナ(1.6%ポイント)▽ネバタ(0.7%ポイント)▽ジョージア(2.4%ポイント)などで、文字通り「紙一重」の差にすぎない。

傾向としてはトランプ氏が上昇の勢いに乗っている。ハリス氏は先月10日のテレビ討論で「判定勝ち」を収めた後、7大激戦州のうちペンシルベニア・ミシガン・ウィスコンシンなど北東部ラストベルト(衰退した工業地帯)で善戦してトランプ氏をリードしていたが、長続きさせることができなかった。

RCPの集計によると、トランプは先月22日7大激戦州の総合平均支持率で47.8%対47.8%でハリス氏と同率に並んでゴールデンクロスに成功してから格差を少しずつ広げて、23日基準では0.8%ポイント(トランプ48.3%、ハリス47.5%)まで広げた。ハリス氏が相対的に強さを見せていたラストベルトでトランプ氏が猛烈な勢いで追撃して局面をひっくり返し、サンベルト(日照量が豊富な南部地域)でハリス氏との格差を地道に広げた影響と分析することができる。

◇D−10世論調査では捉えられなかった「シャイ・トランプ」

投票日を約10日残した時点におけるこのような候補支持率は11月5日大統領選挙でどのような結果につながるだろうか。

トランプ氏が出馬した2020年・2016年大統領選挙でD−10時点の候補支持率と実際の大統領選挙得票率を中央日報が比較した結果、激戦州でほぼトランプ氏の実際の得票率が世論調査支持率数値よりも少なくとも2.2%ポイント、多くて6.9%ポイントまで高かったことが分かった。世論調査では捉えられなかった、いわゆる「シャイ・トランプ」だ。

注目すべき部分は過去「ブルーウォール(民主党優勢地域)」に挙げられたラストベルトで隠れトランプ票が多かったという点だ。2020年11月3日の大統領選挙を数日後に控えていた10月29日当時、バイデン民主党候補が世論調査(RCP基準)上ではペンシルベニア・ミシガン・ウィスコンシンでトランプ候補を5.3%ポイント・9.0%ポイント・5.4%ポイント差でリードしていると分析されたが、実際の大統領選挙ではバイデン候補がそれぞれ1.2%ポイント・2.8%ポイント・0.7%ポイントのわずかな差で辛勝した。結果的に隠れトランプ票(実際の得票率−世論調査支持率)はそれぞれ4.1%ポイント・6.2%ポイント・4.7%ポイントだったことになる。

D−10の時点で「ヒラリー・クリントン候補の勝利可能性99%」だった2016年大統領選挙では「トランプ過小評価」傾向がもっと強かった。トランプ氏が2016年11月8日大統領選挙で実際に記録した得票率と大統領選挙10日前の10月29日に記録した世論調査支持率(Five Thirty Eight基準)間の格差はペンシルベニア(+6.5%ポイント)・ミシガン(+6.6%ポイント)・ウィスコンシン(+6.9%ポイント)等などだった。10月29日の世論調査を基準として当時ヒラリー候補が7大激戦州のうち5州を余裕で勝つことが予想されたが、実際に蓋を開けてみるとトランプ候補がネバタを除いた6州を抑えた。激戦州7州のうちネバタだけが唯一ヒラリー候補が世論調査支持率より実際の得票率を0.1%ポイントさらに多く獲得しただけで、6州すべてでシャイトランプが多かったためだ。

◇シャイ・トランプが再び威力を発揮すれば当選の可能性↑

もし今回の大統領選挙でも過去のように隠れトランプ票が威力を発揮する場合、現在激戦州7州の「紙一重」の差がさらに拡大し、トランプ当選の可能性が高くなるという計算がある。民主党大統領選挙キャンプの危機感が最近高まった背景だ。