大手繊維メーカー製水処理装置の架空の取引を持ち掛け、静岡県清水町にある会社から現金2億4000万円をだまし取った疑いで、大手繊維メーカーの元社員や水処理装置の製造販売会社の元代表取締役の男ら合わせて3人が2024年10月22日、再逮捕されました。

偽造有印私文書行使と詐欺の疑いで再逮捕されたのは、大手繊維メーカーの元社員で大阪市平野区在住の無職の男(60)、水処理装置の製造・販売会社の元代表取締役で東京都江東区在住の無職の男(74)、水処理装置の販売会社の元代表取締役で住所不定・無職の男(58)の3人です。

警察によりますと、3人は2018年6月下旬頃、清水町にある会社から現金をだまし取ろうと、大手繊維メーカー製水処理装置の架空の購入契約を持ち掛けるなどし、現金2億4000万円をだまし取った疑いが持たれています。男らは「もし売れなかったとしたら、買った時よりも高い額で買い取る」と説明し、さらに大手繊維メーカーが作成したとする嘘の連帯保証書を提示して被害者を信用させ、契約に至ったということです。

大手繊維メーカーの元社員の男(60)は、身分を利用してこの犯行に加担し保証書を偽造した疑いがあり、大手繊維メーカーはすでにこの男を2018年11月22日付で懲戒解雇処分としています。

被害者は当時、寝具の卸会社でしたが、他事業への新規参入を考えている中で大手繊維メーカーと関係を構築したかったことから、その取引に応じたということです。

実際には水処理装置の取引は架空だったため被害者に対して製品の納入はなく、東京都江東区の男(74)の会社に払った2億4000万円も戻ってこなかったということで、2022年4月に被害者が警察に相談し、事件が発覚しました。

水処理装置は1台当たり480万円の据え置き型のもので50台購入する契約を結んだということです。

警察は3人が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

3人は同じ被害者から2018年9月下旬頃に現金5000万円をだまし取った疑いなどですでに逮捕されています。警察は事件の全容解明を進めていく方針です。