22日午前の債券市場で、先物中心限月12月限は反落した。前日の米国市場で長期債相場が下落(金利は上昇)したことが重荷となった。

 米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペースが緩やかなものとなるとの見方が広がるなか、米国市場では中期的な政府債務の膨張シナリオが意識され、米債への売りを促した。米長期金利は4.19%に上昇した。外国為替市場では米長期金利の上昇を背景にドル買いの流れとなり、ドル円相場は一時1ドル=150円80銭台までドル高・円安方向に振れた。円債市場では円安の進行により、日銀が追加利上げに踏み切りやすくなるとの見方から、買い持ち高を圧縮する目的の売りが出た。

 財務省は22日午前、10年物のクライメート・トランジション(CT)債の入札実施を通知した。発行予定額は3500億円程度でクーポンは1.0%。流動性の乏しさが指摘されているが、長期金利の水準が切りあがったこともあって、一定の需要を集めるとの見方が優勢となっている。

 先物12月限は前営業日比28銭安の143円70銭で午前の取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は一時、同0.025ポイント高い0.980%に上昇。足もとでは0.975%で推移している。

出所:MINKABU PRESS