ビクトリア港の資料写真[Pixabay]

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高層ビルがぎっしりと建ち並ぶ香港で珍しい「ウォータースパウト」現象が発生した。

28日(現地時間)、香港天文台(HKO)と現地メディアの報道などによると、この日の午後12時30分ごろ、ビクトリア港で約2分間にわたりウォータースパウトが観測された。

ビクトリア港は香港の九竜半島と香港島の間に位置する港で、世界3大天然港の一つであり、世界3大夜景で有名な香港を代表する観光名所だ。

同日発生した「ウォータースパウト」現象は、1959年に香港天文台が現代的な気象観測を始めて以来、65年ぶりにビクトリア港で初めて観測された事例だ。

ウォータースパウトは、地面や海の表面と空から吹く風の方向が異なる時に発生する柱状の上昇気流だ。風が吹き上がり発生する竜巻が竜が昇天するようだと言って名付けられた。

内部風速は秒速100メートル、吸い上げられる速度も秒速40〜90メートルに達し、移動速度も40〜70キロで海で発生すればウォータースパウト、陸地で発生すれば竜巻(トルネード)と呼ぶ。

香港天文台はこの日、上層大気層の衝突で夕立が降り、雷や稲妻が落ちるなど不安定な天気のためにウォータースパウトが発生したと説明した。ウォータースパウトは水面から陸地の方に移動する途中、海のそばにあったプールの塀にぶつかって消えた。

高層ビルがぎっしりと立ち並ぶところで発生したウォータースパウトなので、多くの人がこの場面を目撃した。

目撃者たちはウォータースパウトを撮影してソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に載せ、ネットユーザーは「CGではないと? 驚くべき現象」「自然は偉大だ」「映画の中の一場面のようだ」などの反応を示した。

香港住民たちは不思議な自然現象に驚いたが、一部ではなかなか観測されなかったウォータースパウトが現れたのが気象異変の前兆ではないかという懸念も出ている。

香港の気象学者たちは、地球温暖化で水しぶきと竜巻が発生する環境が作られていると指摘した。

ある気象学者は現地メディアに「ウォータースパウトが陸地で発生したとすれば、竜巻になるので危険性がある」として「竜巻は数分で発生するために備えにくく、香港は高層ビルがぎっしりと立ち並んでいて竜巻に特に脆弱になる恐れがある」と懸念を示した。