1966年、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定している袴田巖さん(88)の再審=やり直し裁判が9月26日午後、静岡地方裁判所で開かれ、國井恒志裁判長は袴田さんに無罪判決を言い渡しました。

【写真を見る】裁判長 無罪判決の袴田巖さんの姉ひで子さんに「申し訳ない」と謝罪【速報「袴田事件」再審判決】

閉廷前に、姉のひで子さんに「裁判にものすごい時間がかかり申し訳ない」と謝罪。「裁判所は自由の扉は開けたが、まだ閉まる可能性がある。確定までしばらくお待ちいただきたい」としました。

國井裁判長は、判決を言い渡した後、「お伝えしたいことがある」と袴田さんの姉・ひで子さん(91)を証言台に呼び、次のように語りました。

「この裁判にものすごい時間がかかっていて、裁判所は申し訳ないと思っています。裁判所は自由の扉は開けました。まだ閉まる可能性があります。1回目の公判で『真の自由を巖さんに与えてください』とひで子さんは言いましたが、裁判所は真の自由を与える役割ではない。控訴ができる。確定までもうしばらくお待ちいただきたい」

最後に國井裁判長は「心身ともに健やかに、ひで子さんの健康を祈ります」と、時折言葉を詰まらせながら、語りかけました。