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 「花粉症」の悩みは、米国でもどんどん広がっている。米フォーダム大学の客員研究員ガイ・ロビンソン氏は週に一度、ニューヨークの一角にあるテラスで3月から10月末まで毎週調査を実施している。

【画像】ついに大都会NYでも鼻ムズムズが拡大!? 全米で広がる「花粉症」の懸念

 セントラルパークから1ブロック半の場所に、空気中の花粉を測定できるNYで唯一の装置がある。空気中の粒子を集める粘着剤付きテープを回収し、研究室に持ち帰って調べている。「目のかゆみや鼻のムズムズ感の原因は何か」。その疑問についての答えを探すためだ。

 ロビンソン氏は「今のところ見つかっているのは、ブタクサだ。これが一番多い。イネ科の植物やヨモギ、ニレもある」話す。症状が一度起きると、7日間は続くという。

 「米国アレルギー・喘息・免疫学会」によると、ここは国内で84カ所ある花粉計測地点の1つだ。アレルギーは全米で悪化し、もはや軽視できない事態となっている。

 ウェイルコーネル医科大学のアレルギー専門家であるウィリアム・ライザッハー博士は「私たちの想像ではない アレルギーは確実に悪化している」とし、「花粉シーズンは長期化し、期間中の雨量も増え、二酸化炭素濃度も増加している。これら全てが、花粉レベルが上昇している原因とみられる。花粉のアレルゲン誘発性も高まっており、よりアレルギーになりやすい。つまり、花粉自体の影響力も強まっているということだ」と説明した。

 2021年に発表された28年間にわたる花粉動向の調査によると、1990年から2018年までの間に花粉量は最大21%も増加。テキサス州や米中西部で、花粉量の最も大きな増加がみられた。

 NYではまだ、他の地域のような花粉シーズンの長期化は起きていない。しかし、ロビンソン氏は、それも長くは続かないとみている。「二酸化炭素の増加が花粉量やアレルゲン性の増加と関係していることが、将来的には判明するだろうと考えている」

(BANG Media International/よろず~ニュース)