「トレードには満足しているが…」好パフォーマンス続く菊池雄星に現地メディアから慎重な意見も「運もあるだろう」
菊池の好投がこのまま続けばオフに好条件の契約が待っているはずだ(C)Getty Images
アストロズの菊池雄星は現地時間8月25日(日本時間26日)、敵地オリオールズ戦のマウンドに登った。移籍後5度目の先発となったこの日、5回2/3を投げ、本塁打も許したものの、3失点とまずまずの内容で救援陣につないだ。試合は終盤に勝ち越し点を上げたアストロズが6-3で勝利している。
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この日も菊池に勝ちはつかなかったものの、アストロズ加入後から続く登板日でのチームの連勝は「5」に伸び“不敗神話”も継続中だ。今季、7月末まで在籍したブルージェイズでは打ち込まれる場面も目立ち、チームの低迷もあり菊池自身の成績も伸び悩んだが、アストロズでは過去5度の先発すべてで3失点以下に抑えるなど、堅実なピッチングを続けている。
ここまでの結果が示すように、トレード移籍後より投球の組み立てが大きく変わったと評する声が少なくない。しかしその一方で、活躍を続ける日本人左腕に向けられる、慎重な意見もあるようだ。
米メディア『SB NATION』では、今夏アストロズ入りとなった菊池、さらにヤンキースから加入したリリーバーのケーレブ・ファーガソンを取り上げる特集記事を配信しており、新戦力への過度な評価は“時期尚早”であるなどと論じている。
同メディアは、新天地でチームの躍進に貢献する両投手に対し、「アストロズのスタッフがファーガソンやキクチに対して奇跡的な改善を施したと言うにはまだ早すぎる」と指摘し、それぞれのピッチング内容に言及。菊池に対して同メディアは、「アストロズでの成功が、球種選択の変更によるものだと多くの議論がされているが、単純にキクチ本来の水準を取り戻しただけのようにも見える。そして運もあるだろう」と分析する。
その上で移籍前と比較し、防御率こそ下がっているものの、四球の数は増えているなど、トータルで劇的な変化が表れたわけでは無いと主張。同メディアは、「このキクチのトレードは、アストロズのシーズンを救ったかもしれない。トレード自体には満足しているが、加入後のコーチングによる奇跡的な効果があったかと言えば、懐疑的だ」と説くとともに、「現在はまだ少ないサンプルに過ぎず、ブルージェイズ時代に不運だったのと同じくらい、アストロズ時代には運が良かった面もある」と綴っている。
加えて、「これらの内容は、オフシーズンにアストロズがキクチとの長期契約について話す際に考慮されるべきだ」とも見通している。
現地メディアの見解の通り、環境の変化が菊池のパフォーマンスにどれだけ影響を及ぼしているのか、現時点では定かではない。やはりこの先、プレーオフ、さらにワールドチャンピオンを争う戦いの中でこそ、新戦力としての評価が見極められていくことになるのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]