「カワイイ私の政見放送を見てね」都知事選で”脱いで”バズった内野愛里が語る「成り上がり人生」

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「初代総理大臣が伊藤博文ってことは知っています。何をした人か? 私は歴史の資料集を“絵”として覚えてしまっているので……顔しか思い出せないですね。ヒゲの厳かなおじさん、ですよね?(笑)」

過去最高の56名が立候補者した先の東京都知事選。ポスターが貼りきれなかったり、全裸ポスターが問題になったり、掲示板ジャックする輩が現れたり、大混乱の選挙戦となったのは周知の通り。

そんな混沌のなかでひときわバズったのが「政治に対する興味ゼロ、知識もほぼゼロ」で出馬した政治団体「カワイイ私の政見放送を見てね」の内野愛里代表(31)だ。

「お誘いされるまでは、まさか自分が選挙に出るなんて1ミリも思ってなかったですね。もちろん、投票には行っていましたけど、まさか投票されるほうになるとは。立候補するまではカメラマンや配信、動画編集のお仕事、そしてここ(bar airia)の経営をしていました。まさにここで口説かれて出馬を決めたんですけど……正直、ちょっと迷いました。ちなみに『ポーカー党』の尾関あゆみさんもここで立候補を決めたんですよ、『私、出たいんですけど!』って。ポーカー党の原点はbar airiaなんです(笑)」

「内野愛里」の名を一躍、有名にしたのが政見放送だった。〈巨乳・美乳・美尻・元祖音声配信者、萌え声普及委員会かわいい工場委員会会長、かわいいの伝道師トップ・オブ・女神様〉と紹介されて登場した内野代表は、アニメ声で名前を連呼した挙句、シャツを脱いでチューブトップ姿になったのである……。

NHKのスタジオで収録したんですけど、広さはこのお店の3〜4倍くらい。カメラマンさんとの距離は3mくらいだったかな。私とカメラマンさんとの間にモニターがあって、リハのときだけ確認できた。本番中はモニターは見れなかったんですけど……見れなくてよかったですね。気になって仕方がないから(笑)。スタジオにはディレクターさんとかADさんとかがいましたけど、皆さん無表情。手話のアシスタントの方だけ、微笑みながら見守ってくれていましたね」

〈美乳・巨乳・美尻〉〈トップ・オブ・女神様〉なんて紹介文を“よくも澱(よど)みなく読み上げられたものだな…”と感心した旨を伝えると、「あれ、AI読み上げなんですよ」と内野代表は笑い飛ばした。

「ただ、こう言っちゃアレですけど、政見放送のバズり具合に比べたら、2152票という結果は微妙でしたね。世界中でバズってましたから。今回、立候補者たちのキャラが濃かったんで、本来なら私に来ていたであろう票が他に散ったかなと。まあ、順位はジョーカーさん(映画『ジョーカー』の主人公メイクを施した河合悠祐候補者)のひとつ上の20位で『中の上』ということでね、『中の上』を体現する女ということでよかったんじゃないでしょうか。『かわいさが中の上』なんで。キャッハッハッハッハ! 私自身は『かわいさ特上』だと思っていますけどね!」

海外でもニュースになるなど、全候補者の政見放送のなかでダントツにバズったが、周囲の評価は真っ二つだったという。

「『頑張ったね』と言う人と『勘弁してくれ』と言う人とパックリ二つに割れていますね。母からは『色仕掛けはやめなよ』ってLINEがきました。父には……連絡してないので、どう思っているかわかりません(笑)。ただ、私のSNSにメッセージをくれる人は大体、褒めてくれる人でしたね。演劇部に所属しているという女子高生からは『あれだけ自分をアピールできるのは凄いです』という結構な長文が来ました。『エンターテイナーですね』とお褒めいただきました。何度か自分の政見放送を見ましたけど、私的には“やべーヤツだな”という感想でしたけどね(笑)。

私のSNSに来るメッセージの5割が応援で、3割がデートの誘いか『抜いた』という報告、残り2割が誹謗中傷でした。『政見放送で抜いたのは初めてだ』とか、そんな報告いらんっつーのにいっぱい送ってくるんですよ。本当にどうしようもない。あと、『声“は”いいな』というのもありましたね。本当に声はたくさん褒めていただきました。私、元祖・音声配信者なので。中学時代から自分の声を使ってネットラジオで配信やっていて、初めてやったときの『同接』(同時接続)が100人いきましたから。しばらくしたら500人になって、手ごたえ感じましたね。カワイイとか声とか、色んな要素が都知事選で爆発したわけです」

激動の都知事選を終えて、内野代表の人生はどう変化したか。

「街中で『お疲れさま』って声をかけてもらえるようになりましたね。あと、“お呼ばれ”が増えました。会食とかイベントとか、『ヴィラのプレオープンに来ませんか?』とかね。“一日焼き肉店店長”もやりましたよ。ほんのり、インフルエンサー枠に入ったんですかね、私? 急なオファーも多くて、タレントさんみたいな動きをしています。ただ、忙しくてあまりお店を開けられなくなったのが申し訳ないですねぇ」

都知事選で見事に“売名”はできた。今後はタレント、インフルエンサーとして生きていくのか。

「あの政見放送で知名度はグーンとあがりましたけど、正社員としてはもう働けないかな。あと、税理士さんに『契約解除したいです』と言われました。『事務所のスタッフたちがあの政見放送を見てしまい、これ以上関与するのが難しいと判断しました』って。罪を犯したわけでもないのに……そもそも、誰の税理士をしているとかって守秘義務なんじゃないの? あの政見放送で、私は税理士を失いました(笑)。

でも、得たもののほうが多いです。知名度もそうですけど、たくさんの出会いがありました。しかもワールドワイドな出会いが。先日も知らない外国の方から『僕の飼っているヤギの写真を見たいですか?』って連絡が来ました。『見たいです』って返信したら本当にヤギの写真が4枚送られてきた。ハワードとトッドトーマスって名前だそうです(笑)。あと、お店に中国のバイトが入ってくれました。今さっき、スペインの方からもエールが届きました。バズったおかげです」

今後については「やはり政界に打って出たい」と内野代表は口にした。

「どこかで出たいなとは思ってます、23区内で。区議、都議……やっぱり区議ですかね。まだどこの党からも声はかかっていませんけど(笑)。ただ、脱ぐのは今回だけ。あれが最高傑作。グラビアのお仕事もやりません(笑)。都知事選の時、街頭演説中にたくさんの人が声をかけてくれました。『愛里さんに勇気をもらっています』って言ってくれた子もいました。それが大概、若い子なんですよ。高校生とか、10代ばっかり。『選挙権はないけど応援してます!』って。彼らが投票できるようになる4年後に都知事選に再出馬――いやぁ、どうでしょう?(笑)

石丸伸二さんも都知事選で知名度を得て、時の人になりましたね。蒲田で演説した後、東京駅を経由して帰ろうとしたら『今から石丸が演説を始めます』とアナウンスがあったから、“せっかくだから聞いてくか”って見に行きました。大盛り上がりで、“同じ都知事候補なのにこうも違うか。誰も私に気づかんのかい”って、驚きましたね。彼の演説をバックに『凄い熱気ですね!』って動画を撮ったんですけど、それでも誰も私に気づかない(笑)。演説なのに音楽フェスみたいで“すごい演出力だな”って感心しました。あの自信満々なところもすごくいい。選挙後、石丸さんが叩かれていますよね。あれはインタビュアーさんへの当たりがキツいのが原因です。頭の回転が速すぎて、インタビュアーとのやりとりがイライラするんでしょうけど、“わからない人にわかるように話すのが政治家”ですから。政治家って公人で、企業のお偉いさんでも芸術家でもない。『石丸、青いな』って感じですね! 私のほうが青いけどね!(笑)」

お呼ばれが激増、ワールドワイドな出会いも増えたとなると、プライベートもさぞ充実していることだろう。

「デートしませんか、飲みませんかってメッセージが死ぬほど来ます。けど、もう十分足りているんで。彼氏ですか? 10人から先は覚えてないですね(笑)」

LINE登録者数は上限の5000人に到達。現在、順番待ちだという。用心すべきは恋愛がらみのトラブルということになりそうだが、彼女ならスキャンダルをも推進力に変えていくに違いない。