軌道上の太陽電池(右)から電力を集める太陽系外惑星(左)
Illustration: NASA / Jay Friedlander

「宇宙開発がここまで進んでいるのに、なんで宇宙人は見つからないの? 本当はもう痕跡とか見つけているのでは? 」って思ったことはありませんか。

物理学者のエンリコ・フェルミも、1950年に同じようなことを考えたのです。「星や惑星が無数に存在するのに、他の生命体の痕跡が見られないのはなぜ? 」って。

この疑問は後に「フェルミのパラドックス」と呼ばれ、今でも天文学者や哲学者たちの間で、解決策の可能性が模索されているんです。

そして最近になって、「宇宙人は人間が思っているほど、エネルギーを大量に消費していないのかもしれない」という新たな仮説が追加されたんです。

宇宙人は省エネ?

The Astrophysical Journalに掲載された論文には、「地球外生命体は、私たちが期待するほどエネルギーを大量に消費していないのかもしれない」と書かれています。

研究者らは、次世代の宇宙望遠鏡が近くの太陽系外惑星上のソーラーパネルを検出できるか調査しました。そして知的生命体が存在して太陽エネルギーを利用しているのなら、そのエネルギー消費量は、私たちが検出できるほど大量ではないという結論に達したようです。

宇宙人が使っているエネルギーって?

研究チームは、宇宙人が恒星からの太陽エネルギーを利用している可能性を探っています。

もちろんその痕跡は見つかっていないし、そもそも仮説の1つでしかありません。でも、痕跡が見つからない=事実ではないとは言えません。だって宇宙はとんでもなく広いし、私たちはその一部しか観測できていません。

窓の外を覗いてクマが見えなかったからといって、「この世の中にクマは存在しない」と断言できないのと一緒です。

次世代望遠鏡が研究を進めてくれる

ハビタブルワールド観測所
Illustration: NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab

こういった仮説の証明に役立つ可能性があると期待されているのが、次世代宇宙望遠鏡の「Habitable Worlds Observatory(ハビタブル・ワールド・オブザーバトリー:以下HWO)」です。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の後継機となるHWOは、地球類似惑星の発見を目的として建設が計画されていて、2040年代前半の打ち上げを目指しています。2023年11月に検討開始されたばかりなので構想段階ですが、革新的な発見につながるかもしれません(SFホラーみたいな展開にならないことを願う)。

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エウロパやエンケラドゥスの生命の可能性は、地表近くで見つかるかも