ビットコインのマイニングは、最初に問題を解いたマイナーが報酬を得られる仕組みなので、世界中のマイナーが大規模なマイニングファームを建設してわれ先にと計算を行っています。そんな中、179ドル(約2万7000円)で売られている手のひらサイズのマイニングデバイスで、20万6000ドル(約3100万円)相当のビットコインをマイニングしたマイナーが現れたことが報じられました。

Bitaxe Finds Bitcoin Block: Tiny Miner Wins $206K Jackpot

https://nerdminer.store/bitaxe-finds-bitcoin-block-wins-206k-jackpot/

Solo Miner Mines Bitcoin Block with 3 TH/s Hashrate

https://theminermag.com/news/2024-07-24/solo-bitcoin-miner-block/

Cryptominer with palm-sized $179 ASIC hits the jackpot with $206,000 in Bitcoins | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/tech-industry/cryptomining/cryptominer-with-palm-sized-dollar179-asic-hits-the-jackpot-with-dollar206000-in-bitcoins

マイニングデバイスのメーカー・Altair Technologyは2024年7月25日に、同社が手がけたBitaxeでビットコインのブロックを丸ごとマイニングした初めてのマイナーが現れたことを祝福するポストをX(旧Twitter)に投稿しました。



問題のブロックは、ソロマイナー専用プラットフォームのSolo CKPoolで伝搬、つまりブロックチェーンに追加されたブロック番号「853742」のブロックで、4353件のトランザクション、総額2652.36BTC(約280億円)のビットコインが取引されました。

驚くべきは、このマイナーが手にした報酬です。マイニング報酬と手数料の合計は約3.192BTCで、当時のレートで20万6000ドル相当です。一般的に、マイナーは確実に報酬を得るためにほかのマイナーと協力してマイニングプールと呼ばれるグループを作り、報酬を山分けします。しかし、このマイナーは単独でのマイニングに成功したため、約20万ドルの報酬を独占しました。

記事作成時点でのビットコインネットワーク全体のハッシュパワーは毎秒約551.3エクサハッシュなのに対し、マイニングに使用されたBitaxeのハッシュレートはたった毎秒約500ギガハッシュ、つまり約11億分の1しかありません。

ビットコインのブロック生成は10分ごとなので単純に比較することはできませんが、アメリカの高額宝くじであるパワーボールの当選率は約3億分の1だということを踏まえると、これがいかにすさまじい確率なのかがわかります。

Solo CKPoolの開発者である「Dr -ck」氏によると、このような事態は平均して3500年に1回起きるか否かだとのことです。



マイニング装置メーカー・Nerdminer.storeは、「小さなBitaxeで採掘されたブロックは単なる偶然の産物ではありません。分散化の力と、草の根活動を起源とするビットコインの不朽の精神の証でもあります。このような出来事が再び起きる確率は高くありませんが、この功績はホームマイニング熱を再燃させ、予測不可能でエキサイティングなビットコインエコシステムの性質を私たちに思い出させました」とコメントしました。

なお、今回のマイニングに使用されたソロマイナー向けデバイスのBitaxeのAmazon.co.jpでの価格は、記事作成時点では税込4万1221円でした。

Amazon.co.jp: AltairTech.io Bitaxe Ultra : パソコン・周辺機器