楽天モバイルのプラチナバンドがスタート、三木谷氏がカウントダウンセレモニー
楽天モバイルは27日、プラチナバンドでのサービスを開始した。東京都内の一部から始まりサービス範囲は今後、順次拡大していく。
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三木谷氏登場のセレモニー
発表の場には、楽天モバイル 代表取締役会長の三木谷浩史氏が登壇。
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カウントダウンの後に、三木谷氏がボタンを押すセレモニーでプラチナバンドがスタート。プラチナバンドだけでつながるよう設定したスマートフォンで実際に、プラチナバンドエリア内にいる社員と通話した。
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アプリの表示などで、楽天モバイルに割り当てられたバンド「28」に接続されている様子も示された。三木谷氏は「我々が熱望していた最終兵器というと怒られちゃうかもしれませんが、(それほどに)大変重要なもの」と表現。1.7GHz帯・2GHz帯のエリアをプラチナバンドで補完していくとともに5Gも拡充していく。
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プラチナバンドで通話する様子
三木谷氏は、楽天モバイルの立ち上げからこれまでを語り、6月には700万回線を突破したことに言及。「ここから1000万回線までさらにスピードを上げていきたい」と意気込みを示した。楽天カードの会員数の増加に比べると、楽天モバイルは1.8倍のスピードでユーザー数が増加していると、早期の1000万回線達成への自信をのぞかせる。
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ユーザー数増加への最重要戦略が「つながりやすさ」であるという三木谷氏。同社の5G基地局数は現在1万7000局超。第3者による調査やユーザーアンケートでも品質の改善が示されている。年内には関東地方でSub6のエリアは最大1.6倍に拡大する計画。人工衛星と携帯電話を直接結ぶAST Space Mobileとの計画も並行して進めていく。
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プラチナバンドは整備急ぐ
本日から始まった「プラチナバンド」も戦略のひとつ。楽天モバイルが2023年に割り当てられたのは700MHz帯で、すでに運用している1.7GHzや2GHzに比べると、建物などの障害物を回り込みやすくより遠くまで届きやすい。つながりにくさを解消する施策のひとつとなる。
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当初の計画よりも前倒しで始まった。三木谷氏は、1.7GHz帯と700MHz帯をひとつのアンテナに共存させることで、コストをおさえてプラチナバンドを展開できると語る。楽天モバイル 副CTOの竹下紘氏は、アンテナと無線機は周波数にあわせたものが必要だが、制御部分はソフトウェアのためアップデートだけで対応できると説明した。
楽天モバイル 代表取締役社長の矢澤俊介氏によれば、プラチナバンドに対応する基地局は東京都内の1カ所からスタート。ユーザーの反応を確認しつつ順次拡大していくと方針が示され、期待も高いとして早急に整備を進める旨が語られた。1.7GHz帯では届きにくい場所を優先して、プラチナバンド対応の基地局が整備される。
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左=楽天モバイル 矢澤氏。右=同 竹下氏
楽天モバイルに割り当てられた700MHz帯の帯域幅は3MHzと、競合他社が同じ700MHz帯で10MHz幅を割り当てられていことにと比べると狭い。帯域幅の広さは通信速度に影響する。1.7GHz帯がつながるところでは、基本的にそちらを使うことでプラチナバンドにユーザーが殺到して通信しづらくなる、いわゆる「パケづまり」を防ぐ。
三木谷氏は「我々は携帯市場の民主化、安くて便利、無制限で速い、高クオリティを届けていきたい。『Rakuten Link』なら通話・SMS無料、海外でも2GBまで無料といったことを実現してきた。さらに通信品質向上に向けて、社員一丸となって努力をしていきたい。今後も応援していただければ」と語った。
質疑応答
――プラチナバンドの導入規模は? 今日時点での状況と今後の展開を教えてほしい。
矢澤氏
まずは今日、1局目のスタートということで、今後のスケジュールは適宜、説明させていただければと思います。お客様の満足度を最大限向上させられるよう、反応を見ながらしっかり順次拡大していきたいと考えています。お客様のプラチナバンドに対する期待は非常に高いと思うので、要望をみながら、なるべく早くスタートしたいです。
もともと、もう少し後でスタートする予定でしたが、社員が頑張ってくれてかなり前倒しできました。このペースでスピードを上げて行きたいと思います。(1局目の場所は)東京都内だと思っていただければと思います。
――つながりづらいところを優先的にプラチナバンドを整備するというが具体的にどこか? 帯域幅が狭いが使い放題プランの内容は変えないのか?
竹下氏
プラチナバンドは、引き続き現在のRakuten最強プランで使えます。つながりづらいところというのは、現在でも1.7GHz帯を高密度に展開していますが特性上、どうしても届きにくい場所があります。全国規模でそういった場所を把握していますので、そこにプラチナバンドを展開していくこともあります。
また、我々のプラチナバンドは帯域幅が狭いということもあるので、都市部では引き続き1.7GHz帯も使い「ベストミックス」でネットワークを作るのが基本的な考えです。
――2023年にプラチナバンド割り当て時に投資額は544億円、基地局数は1万局超とされていた。保守的に映ったが前倒しの考えはあるか?
矢澤氏
設備投資の額は変わらず500億円です。開設計画よりも1年半くらいは前倒しでのスタートになったと思いますが、スピードは上げていたいと考えています。
――帯域幅が狭く速度は出ないと思うが、今回のプラチナバンドに乗せる期待は? 狭い帯域幅にユーザーが集中してパケ止まりが起きないか?
竹下氏
基本的に、1.7GHz帯があるところは優先的にそちらに接続するようにします。他社様の事例も見ながら、我々の知見をもとにしっかり調整していきたいと思います。
矢澤氏
パケ止まりの懸念についても、そこは我々のオープンRANシステムが一番力を発揮できるところだと思います。基本的に我々は1.7GHz帯を中心に展開していますので、さきほどの言及した「ベストミックス」で最適な周波数を提供できると、強い自信を持っています。
――仮想化ネットワークで初めてのプラチナバンドになる。他社に対してどんな郵政があるのか? コスト面や柔軟性などの観点で教えてほしい。
竹下氏
電波の特性上、アンテナと無線機については、700MHz帯に対応するものが必要ですが無線機よりもさらにネットワークの内側にある部分はソフトウェアで動いており、そこはアップデートだけで対応でいます。従前から設備投資を40%削減できるとしていますが、この削減効果は大きいと思います。
矢澤氏
特にプラチナバンドについては、他社さんの場合は専用の機械で展開しますが、我々はアンテナと無線機は専用ですがその先は完全にソフトウェアです。周波数をたくさん持つ場合、このコストの圧倒的な削減は世の中に対して、展開していけることがあると思います。「500億円は設備投資としては少ないのではないか」という意見はありました。しかし、我々はこれで十分にやっていけると思います。オープンRANとしての強みが発揮できるステージに来たかなと。
――楽天モバイルのプラチナバンド割当は携帯電話業界の競争活性化に寄与するか? 今後の財務健全化への考えも教えてほしい。
矢澤氏
電波は国民の財産。割当をいただいた我々としては最大限に活用してしっかりとお客様を見て、満足いただけるように、満足度を上げていけるようにベストミックスな周波数を提供していきたいです。この業界は競争が進んでいますが、それをリードしているのは楽天モバイルだと思っています。黒字化に向けても強い自信をもっていますし、お客様一人ひとりに満足してもらえるよう、一歩一歩進んでいきたいと思います。