aiko official X(@aiko_dochibi)

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 歌手aiko(48)が代表取締役の芸能プロダクション「buddy go」に約1億円の損害を与えたとして、会社法違反(特別背任)罪に問われた元取締役、千葉篤史被告(58)の公判。このほど証人出廷したaikoは「全てにおいて洗脳されていた。逆らえば音楽制作が止まってしまう恐怖があった」と訴え、ツアーで販売するグッズの仕入れを水増し請求されるなどした悔しさをにじませた。

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 千葉は「育ての親」としてファンの間でも知られていた。ポニーキャニオン時代にaikoを見いだしたのは確かだが、売れっ子になるやライブ運営などを牛耳り、住まいは渋谷区の高級マンションで全身ブランドの服に身を包み、高級外車を乗り回すような暮らしぶりだったという。それら全てがaikoが稼いだカネであったとすれば、その胸中も推して知るべしか。aikoが世間知らずだったのかも知れないが、業界に詳しい某芸能プロデューサーは「こうしたブローカーが跋扈しているのが芸能界」とこう続ける。

「グッズ販売ではトンネル会社などを通じて、仕入れ会社の担当者にもキックバックを支払い、甘い蜜を吸わせて隠蔽するというのがひとつのパターン。今回は被告の個人口座のことなどが報じられていることから察するに、被告はaikoさんに会社のお金の出入りについて、見せないでいられるような関係を築き、好き勝手やっていたのかもしれません」

 千葉のように「俺が育ててやった」と有名歌手の名を挙げて派手に振る舞う業界人は芸能マスコミの前にもしばしば登場する。

「今回で言えば、aikoさんへの高圧的な態度の背景にオレ様が売り出してやったという思い上がりがあり、仕入れ先にもaikoのグッズを発注してやっているという大いなる勘違いがあったのでしょう。aikoさんに『経営が苦しい』などと言って、計4億6000万円を事務所に出させたりしていたというのですから完全に食い物にしていました」

■Xで「みなさん色々心配させてもてごめんね」とコメント

 普通の感覚では理解しがたいが、芸能界では昔からある話という声も。芸能リポーターの平野早苗さんが言う。

「信頼していたマネジャーや事務所関係者にお金をネコババされるという話はいくつもありました。芸能人はお金の管理が不得手ということもあり、身近な人に全てを任せて気がついた時には取り返しがつかない状態になってしまうケースです。こうした裏切り、被害で思い出されるのは今は亡き島倉千代子さんでしょうか。ご主人の開店資金の借金肩代わりに始まり、知人に実印を渡してしまったりして、3億円とも4億円とも報じられた借金をかぶることに。それでも、人を信じやすく、お人よしの島倉さんは『だますよりだまされる方がいいの』と言っていたそうです」

 “金のなる木”とみるやあの手この手で近づく寄生虫のようなやからは今も昔も存在する。

aikoさんは洗脳されていたと話していますが、身近な人のことを信じてしまうことは誰にでもあります。裏切られたことのショック、代償はとても大きいでしょうけど、乗り越えていって欲しいですね」(平野リポーター)

 aikoは自身のXで「みなさん色々心配させてもてごめんね。私は元気です!ありがとう」とコメント。揺るぎないファンの存在がaiko洗脳を解いたのかもしれない。