8回、エリエ・ヘルナンデスは左越えに2号3ランを放つ=4日・ロッテ戦

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 巨人は4日のロッテ戦で猛打爆発し、23安打18得点で快勝した。リーグ戦に加え、交流戦でも首位に浮上した。

 三回には球団タイの9者連続安打、セ・リーグタイ、球団新記録の1イニング12安打を記録した。記録ずくめの歴史的な猛攻を見せた。

 投高打低と言われるシーズンで、巨人も今季は得点力不足に苦しんできた。だが、交流戦に入り打線が活発となり、2日の西武戦でも14安打で7得点。交流戦のチーム打率・293、12球団トップの39得点で5勝2敗と好調だ。

 好転の要因として挙げられるのが、新助っ人ヘルナンデスと立岡の存在だろう。巨人OBでデイリースポーツ評論家・関本四十四氏は、「交流戦の頭からヘルナンデスが入り、3戦目のソフトバンク戦(30日)で3ランを打った。あれで雰囲気が変わり、勢いに乗ったよな」。難敵ソフトバンクを相手に5点差を逆転勝利。三回に1点差に迫る3ランを放ったのがヘルナンデスだった。

 ここまで7試合、32打席に立ち打率・414、2本塁打、8打点。関本氏は「甘い球を高い確率でコンタクトでき、3Aで165本安打を打ったというのもうなずける。テークバックもあまり無駄な動きがなく、ヒッチもしない。シンプルにミートポイントまで持っていけるし、三振も少ないだろう。日本の投手の変化球にもマッチできそうな印象がある」と絶賛した。

 打線は好調の1番・丸と3番・吉川の左打者2人の間に右のヘルナンデスが入ることで、バランスが取れるようになった。相乗効果で、下降気味だった4番・岡本和、坂本の状態も上向いてきた。

 もうひとり、存在感を発揮しているのが立岡だ。左膝の怪我から復活し、5月に支配下登録。ここまで12試合で打率・323、0本塁打、6打点。4日のロッテ戦は6番で2戦連続の猛打賞となる4安打を放ち、お立ち台にも上がった。

 関本氏は「詰まり気味でもセンターから逆方向に持っていける。かつて王さんも言っていたが、詰まってもヒットはヒット。立岡も詰まることを恐れていないし、ポイントが近いから粘ることもできる。吉川にも同じことが言えるが、投手目線で、こうしたしぶとい打者がいるというのはすごくプレッシャーがかかってくる」とした。

 立岡は走塁やバント、外野の守備でも貢献。レギュラーが流動的だった外野陣だが、当面は左翼・丸、中堅・立岡、右翼・ヘルナンデスを起用していくことになりそうだ。

 混戦模様のセ・リーグで首位に立つ巨人。関本氏は「セの他のチームが交流戦で苦戦している。巨人としては一気に3ゲーム、4ゲームと離して終えることができたら期待感が高まる」と語る。2年連続Bクラスと沈んでいた巨人だが、上昇気配が漂い始めている。