ツアー初優勝を果たした臼井麗香【写真:Getty Images】

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国内ツアー・アクサレディス

 女子ゴルフの国内ツアー・アクサレディスは24日、宮崎県・UMKカントリークラブ(6545ヤード、パー72)で最終日が行われたが、降雨によるコースコンディション不良の為、午前10時50分に競技中止となった。これによって36ホールの短縮競技となり、2日目を終えて通算13アンダーだった臼井麗香(フリー)が嬉しいツアー初優勝となった。1998年度生まれの“黄金世代”では14人目のツアーV。涙もこぼれた後の優勝会見では「嬉しいのが一番なんですけど、まだ夢見てるみたいです」と喜びを表現した。

 館内アナウンスで優勝を知った瞬間、あふれ出る涙を抑えきれなかった。「雨は12時くらいに止むと思っていたので、少なくともハーフはやるかなとか、先週みたいになるかなとか、全くわからずでした」。23日の第2ラウンドを66で回って1打差の首位に浮上。プロ7年目で初めて栄冠を掴んだ。

 渋野日向子、畑岡奈紗、小祝さくら、原英莉花ら人気と実力を持った選手がそろう“黄金世代”の一人。2018年のプロテスト合格後、統合シーズンだった20-21年に初シードを獲得したが、昨年は14試合出場で予選落ち12度。長らく結果が出ず、苦しんだ。

「シード1年目(22年)が一番私の中では苦しくて、練習ラウンド初日の時点で辞めたいって泣きながら練習ラウンドしてたんです。毎週毎週。それくらいキツかったです。持ってた球が打てない、それなりに飛距離が出るのが飛ばない、自分の良さが全部消えちゃってどうやってゴルフしたらいいのか分からなくなりました」

 22年から左右のバラツキをなくすためにスイング改造。いつしか曲がりを恐れて振れなくなり、以前より約20ヤードも飛ばなくなった。心が折れそうな日々でも「30歳までゴルフをやる」の目標は変わらなかった。もともと強かった下半身についてこられる上半身を手に入れるためにトレーニングを重ね、仲のいい稲見萌寧の影響を受けてキックボクシ ングも導入。試行錯誤の末に、ようやく優勝に辿り着いた。

 中学2年でつけられたニックネーム“れいちぇる”がファンにも浸透。自身のブランド「チェルクラッシー」を手がけるなど、お洒落な一面でも人気が高いが、一方で“アンチ”もいる。SNSでの心無い言葉も「結構言われやすくて、毎日言われます(笑)」と明かすほど。それでも「見てもらえることは嬉しいこと」と発奮材料にした。「女性も形から入って、ゴルフに携わる人が増えたらなというのもあります」とファッションを発信したい気持ちに変わりはない。

 推薦出場で優勝を掴み、来季シード権を獲得。「見た目とかが、スポーツマンらしくないので、ファンの人からも2日間だから、まぐれだろうなと思われるかもしれないですけど、そう思われないように次の試合から2勝目が1勝目だと思ってやっていきたい」。注目を集める女子ゴルフ界に、また一人楽しみなニューヒロインが生まれた。

(THE ANSWER編集部)