「クルマの駐車」 なぜ“真っすぐ”駐められない?バック駐車をきれいに決めるコツ… プロが伝授
バック駐車するときはドアミラーと目視確認が基本
日本ではクルマをバックさせて停める「バック駐車」が主流ですが、それにもかかわらず苦手にする人が多くいます。
それでは、上手に駐車するコツはあるのでしょうか。
クルマの操作が苦手というなかで特に「バック駐車」を不得意とする人がいます。
【画像】「えっ…!」これが左側が見える「スゴい鏡」です! 画像を見る(30枚以上)
そのような人からは「隣のクルマに当てそうでこわい」、「狭い場所で上手く入るか心配」、「真っ直ぐ止めたつもりが曲がっている」という声が聞かれます。
基本的にバック駐車するときのコツとして自動車教習所の担当者は「確実なのは目視とミラーの確認です。後方は見えにくいのが前提ですので、交互に目視とドアミラーで確認をしてください」と語ります。
一見、当たり前の行為ですが、バック駐車が苦手な人は、目視とドアミラーを上手く使って駐車スペースの枠線などが確認できていないことが苦手意識の原因です。
たとえば、日常的に狭い駐車場などでクルマを駐車するレンタカー屋や中古車店のスタッフでも目視とドアミラーを使って車体の位置や向きを確認しています。
この時、助手席側のドアミラーは見づらいため、より見えやすい運転席側の後部のほうを意識しているといいます。
つまり、自分に近い位置のドアミラーを使って車体の向きを確認し、クルマを駐車枠に収めるように操作していきます。また、クルマを枠線のなかにまっすぐ入れるときは、窓を開けて顔を出し目視で確認するようです。
では、クルマを動かすだけの十分なスペースがないような、狭い駐車場ではどうすればいいのでしょうか。
この場合は、まず、ゆっくりとクルマを操作するよう心がけることが大切で、前出の担当者は次のように語ります。
「教習中はポールでイメージをさせますが、『実際に運転するときは、ポールはクルマのフェンダー角であったり、白線であるというのをイメージしてね』と指導しています。
距離感などをわかりやすくするためにポールを使用していますが、実際に運転する際に駐車場の白線や隣のクルマとの距離を参考に駐車することは決して間違いではありません」
それでは、こうしたことを意識しながらうまくバック駐車するには、どうすればいいのでしょうか。
これで上手くなる! 「バック駐車」 上達のコツは?
バック駐車するときは、クルマをバックさせる前に、駐車枠に入りやすい角度をつけておくのがポイントです。
こうすることでハンドル操作が少なくなり、ドアミラーでも周りとの距離感がつかみやすくなります。
とくに狭い駐車場では、クルマの角度に気をつけるとよいでしょう。
例として、右側に駐車スペースをみつけて入る、としてみます。
まず、駐車枠に対して垂直な状態のまま、目的の駐車枠に近づきます。
このとき枠からあまり離れすぎず、50センチから1メートルほどの距離を保つとよいでしょう。
駐車枠の前にきて、右側のドアミラーと、四角い駐車枠の「右角」が並ぶところまで進んだら、いったん停止します。
次に、その場でハンドルを左いっぱいにきり、ゆっくりアクセルを踏んで前進させます。
そのままクルマを左に旋回させながら前進すると、右サイドミラーにさきほどの「右角」が映ってきます。この状態で、クルマは駐車枠に対して右45度になっています。
「右角」をミラーで見たら止まり、ハンドルを右へ切ります。そして、ギアをバックに入れて駐車枠へ斜めにバックしていきます。
クルマの左後ろタイヤが左隣のクルマの右前端を通過したら、ハンドルを真っすぐに戻します。
そのあとは、駐車枠に真っ直ぐに収まるように微調整しながらバックして駐車は完了です。
駐車するまでには左と右に大きくハンドルを切りますが、うまく駐車するには、そのタイミングをつかむことが大切です。
不安なときには、ドアミラーや目視でゆっくりと確認するとよいでしょう。
また、最近ではこうした駐車操作を支援するシステムも普及してきました。
たとえば、車体の後方をカメラで映し出すのがデジタルインナーミラーです。カメラが車外に設置されているため、後方の視界が乗員や荷物、ヘッドレストなどで邪魔されることはありません。
さらに、車両の前後左右のカメラ映像を組み合わせ車両を真上から見たような機能も最近は普及しており、客観的にクルマの動きが分かるようになりました。
いずれも駐車に不安を持つ人から支持されており、家族でクルマに乗る人においてもクルマ購入の決め手になっているようです。
ただ、どちらも、ダッシュボードのモニターに移るカメラ映像を見ることになるので、過信は禁物です。
たとえば、モニターになにも映っていなくても、実際にはカメラの死角に子どもがいるということもあり得ます。
そのため、こうした機能は目視での確認と合わせて使うよう心がけることが大切です。