調査会社のIDCが日本のスマートフォン出荷台数についてまとめたレポートを発表しました。2023年第4四半期(10月〜12月)の出荷台数のほか、2023年総まとめの数字も明らかになっています。

Japan’s Mobile Phones Market Decreased by 3.5% YoY in 2023Q4 to 8.3 Million Units, Says IDC

https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prAP51933524



2023年第4四半期および通年の国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表

https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ51932824

2023年第4四半期の日本の従来型携帯電話およびスマートフォン出荷台数は830万台で、前年同期比3.5%減となりました。このうちスマートフォンは前年同期比2.4%減の828万台。種別では、iPhoneの出荷台数が前年同期比3.4%増、Androidが同8.7%減となっています。

2023年通年の日本のスマートフォン出荷台数は前年度比11.6%減の3030万台で、iPhoneが6.1%減、Androidが16.3%減となりました。通年ではすべての四半期で出荷台数が前年比減となり、出荷台数が800万台を上回ったのは第4四半期のみでした。

IDCは「Appleにリードされ、下半期から需要が改善し始め、円安によるインフレやキャリアの在庫調整による影響が終息しつつあることがうかがえる」と考察しています。

メーカー別に見ると、2023年の市場シェアが最も多かったメーカーは51.9%のAppleで出荷台数は1558万台。2位は10.9%のシャープで、出荷台数は326万台。3位は10.7%のGoogleで、出荷台数は322万台でした。



この数字についてODCは「AppleはiPhone 15シリーズの強い需要でスマートフォン市場をリードし続け、シャープは手頃な価格のスマートフォンで高齢者層の堅調な支持を確保。Googleは2023年第2四半期以来の力強い成長軌道を維持し、最大のプラスとなった」と記しました。



2023年のまとめとして、IDCは「Googleが年初のドコモとの提携後に急速にシェアを伸ばした一方で、FCNTが民事再生法の適用を申請し、京セラがコンシューマー向けデバイスからの撤退を発表している。ソニーやSamsungはそれぞれ対前年で100万台以上の出荷数減となり、国内でのシェアを落とした。そのような状況の中、主要ベンダーのシャープとAppleは安定した地位を保持している」と指摘。

続けて「日本はこれまで国内ベンダーが非常に強い市場であったが、スマートフォン市場の競争が激化する中、日本のベンダーは折りたたみ式スマートフォンやAIスマートフォンなどの製品開発や競争力の面で、グローバルベンダーに対抗することが徐々に難しくなってきている。2024年には、急成長を遂げたGoogle以外にも、FCNTを買収したLenovoやXiaomiなどのグローバルベンダーが日本市場での存在感を強め、国内ベンダーは国内市場でのポジションを見直す必要に迫られるだろう」と述べました。

一方の中国では、スマートフォン販売台数が2024年の最初の6週間で前年比7%減少し、Apple、OPPO、vivoなどの主要ベンダーは2桁の減少を記録しています。調査会社Counterpoint Researchによると、AppleがHuaweiなどとの激しい競争に直面し、OPPO、vivo、Xiaomiなどからの強気な価格設定に押されて苦戦したとのこと。中国の年初6週間の記録を見ると、vivoとHuawei、Honor、Appleがほぼ横並びとなっています。